導入された企業側にも大きなメリットがあります

「ここたまサポートひろば」は、一対一で、かつ匿名でチャットができるというアイデアで、カウンセリングサービスとしては、とても利用率が高いというお話をしました。

従業員の方にとっては、自分の名前を知られることなく、好きなときに心理カウンセラーの方とおしゃべりできるのですから、こんなに気楽で安心なサービスはあまり無いように思います。

一方で、導入した企業さんにとってメリットはあるのでしょうか。

その点についても、「ここたまサポートひろば」は十分に考えられており、トラブルの予防や早期発見など、職場環境の改善に役立つプランが用意されています。

匿名ですので個人情報は特定できませんが、チャットデータはデータベースに保存されています。

そのデータを、cocotamaさんが定期的に分析・調査を行います。

その結果を、cocotamaさんが契約されているアドバイザーの方々に報告し、問題点の洗い出しや、改善についての提案を依頼されるそうです。

そしてその報告書を持って、環境衛生カウンセラーさんが導入した企業さんを訪問されます。

最後に、企業さんと情報交換をしながら、職場環境の改善をサポートされるそうです。

匿名でチャットができるというアイデアで高い利用率を実現しているそうです

株式会社cocotamaさんは、心の卵さんというNPO法人の方々が立ち上げた会社です。

心の卵さんは、2008年からNPO法人化して心理カウンセリングを行われてきたそうですが、その間、企業の従業員さんの心の問題にも向き合ってこられたようです。

そこで特に感じられたのが、社内に産業カウンセラーを置くなどして、従業員さんの心のケアをしようとしても、ほとんど利用されないという現実。

確かに、「○○さんがカウンセリングを受けているらしいよ。」という噂が立てば、同僚もその人に気を使うでしょうし、その人も会社で居心地が悪くなるかもしれません。何より査定に響いたりしたら大変だと思います。

そうなるのが嫌で一人で抱え込んだ結果、心の病が重篤化してしまって、精神科にかかるような事態になる例が多い。

私の知人にも同じようなことがありましたので、ひとごとではないと思ったものです。

ですので、昨日お話したように、匿名で心理カウンセラーと日頃から友達のようにチャットができる、という仕組みは画期的だと思います。

「ここたまサポートひろば」はビジネス特許出願中のITサービスです

株式会社cocotamaさんが「IT導入支援事業者」に認定されたことを受けて、「ここたまサポートひろば」を導入する企業さんも増えるのではないかという記事を書きました。

弊社は「ここたまサポートひろば」のシステムを開発させていただきましたので、導入促進をお手伝いする意味で、システムの特徴を書いてみたいと思います。

昨日、LINEのようなチャットシステムだけれども、アプリ画面には、契約した企業の従業員さんとcocotamaスタッフさんの一対一のチャットしか表示されない、ということが大きな違いだと書きました。

一対一ということで、心理カウンセラーの資格を持ったcocotamaスタッフさんに、上司や同僚にも知られずに、職場や家庭の悩みなどを聞いてもらえるわけですね。

とはいっても、「ここたまサポートひろば」を契約したのは会社ですので、cocotamaスタッフさんが、自分の悩みを会社に言いつけちゃうんじゃないか?という心配もあるかもしれません。

しかし、チャットは匿名どうしで行うので、誰とチャットをしているのか、cocotamaスタッフさんにも分からないのです。

株式会社cocotamaさんが「IT導入支援事業者」に認定されました

正式には、「サービス等生産性向上IT導入支援事業費補助金IT導入支援事業者」というらしいです。

去年は福岡県から「中小企業経営革新支援法に基づく経営革新計画」に承認されていたので、「ここたまサポートひろば」は今の社会に必要とされているサービスなんだなと感じます。

この制度を利用して「ここたまサポートひろば」を導入すれば、その事業者さんに導入費用の3分の2(上限額100万円)の補助を受けることができるとのこと。

費用は従業員一人○○円×全従業員ですので、単純計算で150万円の導入費用ならば、導入した事業者さんに100万円の補助金が出る、ということになるみたいです。

心の問題を抱えている従業員さんを何とかしたいと考えている経営者の方は多いようで、今までcocotamaさんが導入の相談を受けた会社はたくさんあるようですが、費用の面であきらめた会社も同じように多かったようです。

サービスの仕組みを簡単に説明すると、cocotamaさんと契約した会社の従業員さんは、「ここたまサポートひろば」アプリを自分のスマートフォンにダウンロードします。

小泉文夫さんの本に出てくる鼻笛であれば一人マインドフルネスができるかもしれません

昨日は、好きな楽器を弾いているときは心が癒されるが、仕事場でそれをやれば音がうるさくて周りに迷惑をかけるというお話をしました。

理想をいえば、頭の中で好きな楽器を演奏できればいいんですよね。

少なくとも私には、頭の中でリアルな楽器音を響かせることはできません。

プロの演奏家の方はそのようなことができるのでしょうか。

頭の中でバイオリンの音を響かせて、その音色でウットリすることができれば理想的ですよね。

それならばということで、片手で持てるくらいの、小型で音の小さな楽器であればいいのかな、とたまに考えることがあります。

ハーモニカやオカリナなどはその候補に挙がると思います。

しかしどんなに意識して音を出しても、周りの人には聞こえてしまいますよね。

私は、YAMAHAのQY20というポータブルの電子楽器を持っていて、今でもたまにフレーズやコードの確認に使っています。

ヘッドホンなので音は周りに聞こえないのですが、電子音で抑揚も付けられないので、音色にウットリするということはありません。

昨日もご紹介した、小泉文夫さんの「音のなかの文化」(青土社)に、首狩り族の鼻笛というものが紹介されています。

自分の好きな音楽でマインドフルネスのようなことができないかと考えています

昨日、古代よりうつ病の治療に音楽が使われていたというお話から、音楽療法や音楽心理学のような分野の研究に期待していることを書きました。

私が好きな音楽は、その期待を反映しているのかもしれませんが、どちらかといえば穏やかなものが多いです。

楽器は弦楽器の響きが好きです。

小泉文夫さんの「音のなかの文化」(青土社)という本で、小室等さんと対談されているのですが、その中に管楽器は男性的で弦楽器は女性的という話題があります。

小室さんは管楽器が好きなのに対し、小泉さんは弦楽器が好きで、音楽もデリケートでやさしいものが好きだと仰っていたので、ああ、私は小泉さんと同じだとうれしく思いました。

私は毎晩、5分から10分程度、下手なりにバイオリンを弾いて「いい音だな」と悦に入っています。

もう15年くらい前ですが、ヤマハの「大人の音楽レッスン」のバイオリンコースに通っていたときからの習慣です。

当時は初心者向け教則本の中の曲でしたが、今はドレミを弾く程度です。

こんな単調なことを何年も続けてよく飽きないな、と自分でも不思議に思っているのですが、もしかすると、マインドフルネスに似た効果があるからやっているのかもしれません。

曲を聴いただけで当時の記憶が蘇えるくらい音楽の力は強いです

先日私が小、中学生の頃に流行った音楽を聴いていたら、つい夢中になってしまって、気が付いたら3、4時間経っていました。

当時の曲を聴いていると思い出が蘇ってきます。

例えば小学生の頃、海外を旅する番組を見ながら朝ごはんを食べて学校に行っていたな、ということを思い出したら、その番組で使われていたテーマ曲も蘇ります。

聴く前は、懐かしい曲のタイトルを2、3曲ほど思い出したので、それを聴き始めたのですが、記憶が蘇るにつれて、その記憶に関連した曲を芋づる式に思い出してしまいます。

そうなると、ついそれも聴きたくなって、結局3、4時間も経ってしまったんですね。

聴覚からの刺激は、古い脳である大脳辺縁系に伝わり、当時聴いていた音楽やそのときの記憶まで蘇るらしいのですが、その現象を自分の体を使って実証研究してしまいました。

こういう体験をするたびに、音楽が脳に与える影響は大きいなと感じます。

古代より、うつ病の治療に音楽が使われていたという話はよく聞きます。

私もパニック障害を経験してから、音楽療法というものがあることを知って、少し調べてみたのですが、現時点では民間療法として研究されている段階のようです。

音楽を聴かない「無関心層」が増え続ければ、実証研究がやりにくくなりそうです

音楽学の中で自分がどの分野に興味があるか考えた結果、素人なのをいいことに、マイ音楽民族心理学と名付けて、好き勝手に思いを巡らせてみようと思いました。

そもそもこの話題を書くきっかけになったのは、日本レコード協会の2015年度「音楽メディアユーザー実態調査」で、音楽を聴こうとしない「無関心層」の割合が最も多かったというニュースでした。

考えてみると、電車の中ではほとんどの人がスマホを見ていて、指を動かしていますので、SNSやゲームやWEBの閲覧などをやっているのかもしれません。

時間はみんなに平等なので、そのような時間が増えるということは、音楽を楽しむ時間は減るというのもうなずけます。

しかし蓄音機が発明されてから、これだけ短期間に巨大な音楽産業ができあがったということに、人間の音楽に対する根源的な欲求を感じます。

この点からいえば、これからも音楽を聴かない「無関心層」の割合が増え続ける、とはあまり思えません。

一方で、SNSやゲームのような業界が、よってたかって面白いコンテンツを配信して、さらに人々の時間を奪って行くならば、音楽の「無関心層」の増加に歯止めがかからないかもしれません。

音楽と民俗学と心理学が好きな素人が書くので「マイ音楽民族心理学」と呼んでみます

私は深層心理に興味があって、河合隼雄さんの本などを読んでいることを、このブログに書いてきました。

先日、音楽心理学という分野があることを知り、それ以降、自分が音楽学のどの分野に興味があるのかを考えています。

考えているうちに、以前小泉文夫さんの本を面白く読んでいたことを思い出したり、研究分野の区分けは一般人にとってなかなか判断しづらいことが分かったりしました。

そうであれば、私は専門家ではありませんので、面白そうなテーマを見つけたら、マイ音楽○○学のように、素人なりに自由に考えを巡らせて楽しんでみようと思い立ちました。

実際に、音楽心理学の本を読んでいて、自分の興味はもう少し文化人類学寄りかなと感じましたので、私が昔から読んでいた文化人類学者の小松和彦さんの音楽版のテーマなんて面白そうだな、と一人でワクワクしていました。

一昨日、福岡正太さんの論文(*)から、小泉文夫さんは民俗学の「基層文化」という概念を参考にしていたと書きましたが、小松和彦さんも文化人類学者に加えて、民俗学者としても紹介されていることを思い出しました。

このブログで、宮本常一さんや赤坂憲雄さんの本のことを書いてきましたが、私は民俗学にもとても興味があるのです。

素人なりに自分の興味のある新分野を考えてみるのも面白いかもしれません

野澤豊一さんという文化人類学者の方が、金沢大学の国際文化資源学研究センターのホームページで、ご自身の研究と民族音楽学について書かれています。
http://crs.w3.kanazawa-u.ac.jp/other/colum/colum_20120512.html

この方は、アメリカ黒人教会の音楽(ゴスペルですね)のフィールドワークをされています。

私も、礼拝のときに熱狂的な歌やダンスが行われている映像を見たことがあるのですが、野澤さんはこのような現象を「音楽とその周辺の人間行動」といった側面から追及されているそうです。

最初、このような研究をする学問こそ「民族音楽学」だろうと思われていたそうですが、ほとんどが「ゴスペル音楽」についての研究であって、「音楽とその周辺の人間行動」について調べたものはほとんどなかったようです。

確かに、民族音楽学者の方が所属しているのは音楽学部のようですし、研究対象が人間の聴覚と音響周辺が中心になるのは納得できる気がします。