カウンセラーの素養がないことを思い知らされました

先日より、少しずつ河合隼雄さんの「カウンセリングの実際」(岩波現代文庫)を読んでいます。

河合さんの豊富なカウンセリング経験を通して語られる、人の心や心の変化のお話は本当に面白い。読んでいてワクワクします。

あまりにも豊富な例が語られるのでちょっと頭が混乱しているのですが、カウンセリングで重要なのは、クライエントさん(カウンセリングを受ける人)自らが自分の人格に望ましい変化を起こすのを手助けすることのようです。

ところがそれがなかなか上手く行かない。こうすればこう上手く行かなくなるし、ああすればああ上手く行かなくなるということばかり。

人の心は本当に難しいものだなと思います。

私は心について昔からいろいろ考えてきたつもりですので、読み始めたときは「カウンセラーという仕事は大変だけれど、やりがいがあるかもしれないな。」と少し憧れていたのですが、読み進めるうちに、とてもじゃないが自分には無理だと思うようになりました。

当然ですが、クライエントさんによっては付き合いはとても長くなります。

カウンセラーさんは、クライエントさんの内的な変化が起きるまで、いろいろな場面でじっと待つことが多いらしい。

それにカウンセリングが終わっても、クライエントさんのことを気にかけている必要がある。

人間にはどこかに不完全なところがあるので、カウンセリングが終わる=完全な人間になるわけではないですし、また帰ってくる人もいるらしい。

今日読んでいたところは「ひとつの事例」という章。

特殊なケースだということですが、あるクライエントさんのカウンセリングのために、家族の方全員と向き合ったり、クライエントさんを自宅に呼んだリされています。

忍耐力とか人に対する愛情を伴った興味とか、私には自信のないものばかりです。

カウンセラーという仕事に少しでも憧れを持ったことは間違いでした。ごめんなさい。

同じ心に関することでも、別の仕事を考えてみることにします。