河合隼雄さんの「カウンセリングの実際」(岩波現代文庫)があまりに面白くて、このシリーズ「<心理療法>コレクション」の全六巻を揃えてしまいました。
第一巻の「ユング心理学入門」は前から持っていたので、残りの四巻を同時に少しずつ読み進めています。
心理療法の実例も豊富で、その話が面白いということは、臨床心理士という仕事にある程度興味があるのだと思います。
もちろん本を読む限りでは、当たり前ですが強い覚悟がないとやって行けない話ばかりなので、私にはとても務まりません。
それにこの年で臨床心理士の資格の勉強を始めるのも無謀ですし。
ふと思ったのですが、臨床心理士を目指す学生さんは、どういうきっかけでなりたいと思ったのでしょう。
私も学生の頃は悩んでいたことがあって、心理学の本を買って真剣に読んでいた記憶があるのですが、それでもカウンセリングに関連する仕事に就きたいと思ったことはありませんでした。
どうやったら自分が治るか、ということを考えるだけで精一杯だったんですね。
しかし臨床心理士になりたいというからには、患者さんの苦しみを治してあげたいという気持ちがあるのでしょうし、その苦しみを知っているということでしょうから、自ら精神的な苦しみを経験した人ではあるのだと思います。
私は臨床心理士になれないと書きましたが、新しく始めようと思っている仕事に、河合さんの本は大いに参考になります。
それが理由で、「<心理療法>コレクション」を全巻揃えたというのもあります。
とはいえ、新しく始めたい仕事そのものの勉強がまだ足りていないのに、その周辺ばかり面白く学んでいるのはよくないなぁ、と河合さんの本を読みながら反省しています。