加藤一二三九段が、Twitterで次のように引退をご報告されました。
「10歳のとき新聞の観戦記に触れ将棋の本質を悟ったわたくしが、天職である将棋に、最善の環境の中、生涯を懸け全身全霊を傾け打ち込むことができましたのは、御支援賜りましたスポンサー、将棋ファンすべての皆様おひとりおひとりのおかげに他なりません。幸せな棋士人生をありがとうございました。」
この中の「10歳のとき新聞の観戦記に触れ将棋の本質を悟った」というところに衝撃を受けました。
幼稚園のころ、将棋で大人に勝ってばかりいて、対戦相手がいなくなったのでしばらく将棋から遠ざかっていた、というほどの天才ですので、この発言は説得力があります。
将棋に限らず、どんな分野でもその道を極める人たちは、やはり子供の頃に、加藤九段のように「本質を悟る」という瞬間があるのでしょうか。
私の場合は当然ですが、物心ついたときから、勉強にしろ芸術にしろ、このような境地に至ったことは一度もありません。
義務教育期間中は、少年ソフトボールや軟式野球かなり入れ込みましたが、やはりそのような経験はできずじまいです。
補欠だったから当然か・・・。
以前も書きましたが、私は中学生になって、レッド・ツェッペリンなどに入れあげて、将来は世界三大ギタリストになってやると一生懸命練習したあげく、無理だと悟りましたが、Charさんや渡辺香津美さんのような天才は、この時点で「本質を悟る」のではないかと思います。
とはいうものの、何ともおめでたい性格だと思われるかもしれませんが、私は人は誰でも天才的な才能を持っているような気がしています。
それは野球とか文学とか、社会的にメジャーな分野だけを指しているのではなく、誰も知らないようなちょっとした分野も含みます。