易のアイデアという河合隼雄さんの考えに感動しました

「井筒俊彦著作集 対談鼎談集・著作目録」(中央公論社)という本の中で、井筒俊彦さんと河合隼雄さんが対談されているそうで、その一部がWEBサイトで紹介されていました。

河合さんが、「易経」を心理療法の仕事に使うことはないが、心理学者としてたいへん興味がある、ということを仰っています。

以下は、その部分の抜粋です。

「イメージです。私は患者さんに会っているときに、易経に描かれているイメージを持つことがあります。しかし、患者さんのために易をたてることはしません。もし、私が因果律による心理学にのみとらわれていると、私の心は狭くなってしまいます。そうすると、単純な因果関係でとらえられないことを患者が述べても、それに注目しなかったり、すぐ忘れてしまったりします。そして、すべてのことを母子関係に還元してしまったり、この問題の原因は父親だと決めつけたりするような、きわめで安易な考え方に従うようになります。私にとっては、事象はもっと複雑で、患者さんの来る日が晴れているか、雨が降っているか、そんなことすべては、その人の治ってゆく過程に関連しているかもしれないという態度をとっています。これが易のアイデアだと思うのです。」

井筒さんも、同席されていた心理学者のジェイムズ・ヒルマンさんも、これにはとても感銘を受けられています。

私も感動しました。

確かに私も、アダルトチルドレンとかHSP(敏感な人)とか、ある決まった型に自分を当てはめてしまうところがあります。

本来ならば特定のものに囚われず、広い視野を持たなければならないと思いつつも、自分の考えや経験ではとてもそのような見方はできないな、と思ってしまいます。

すぐに影響される私は、さっそく易経が面白く解説されていそうな本を探してみました。

そして、氷見野良三さんという方の「易経入門 孔子がギリシア悲劇を読んだら」(文春新書)という本を見つけました。