費用対効果が高いことと現場で必要とされていることは同じではありません

以前にも書いたのですが、私がゲーム会社でアルバイトしていた頃はゲーム業界の黎明期で、会社自体は大きかったのですが、ゲームの部署はできたてでとても小さな規模でした。

少ない予算でやりくりしていたようで、社員の方も経験が浅いものですから、予定していた製作期間が伸びていつも予算オーバーに。プログラマーに支払う費用を確保するために、足りないグラフィックやBGMを学生アルバイトの人たちが作成していました。

私も程なく操作マニュアルの執筆など、できるところを手伝うようになりました。

ゲーム業界が大きくなるにつれ、部署の規模も予算も大きくなって行ったのですが、今度は部署を維持するために目標ノルマの達成が厳しくなって行くわけです。

そうなると、売れる作品には多くの予算が割り振られ、そうでない作品には少ない予算しか回ってこない。

稟議を回す方も売れると分かっているもの、お金をかければ効果が見込めるものばかり上げる。

私が会社にいたのはずいぶん昔ですから、現在の状況はよく分かりませんが、昨日書いたようなセキュリティ費用などはどのように説得するのか、担当者は大変じゃないかなと思います。

私は以前、ホームページ作成の請け負いに力を入れようとしていた時期があったのですが、そのときはお客さんに費用対効果をうまく説明できなくて、仕事が広がることはありませんでした。

もちろん、確実に受注につながるホームページなどを作ることで、繁盛されている業者さんも多いと思いますので、単純に私の力不足でしかなかったのですが、ホームページの費用というのも、発注する側からすれば予算を割きにくい分野のような気もします。

そんなことを考えていると、あるとき社内で問題が発生してみんなが困っているときに、それがセキュリティやWEBのようなIT技術のことであったり、グラフィックのようなアートのことであったりして、それを自分が得意で解決したりすれば、それがきっかけでやりがいのある仕事を任されるチャンスがめぐってくるかもしれないな、と想像したりします。

費用対効果が高いことと現場で必要とされていることは同じではないですよね。