民俗学者の吉野裕子さんの本や、河合隼雄さんとユングが心理療法について書いた本を読んでいます。
吉野裕子さんは、日本の民俗で明らかにされていなかったことを、陰陽五行や易を使って紐解いて行くという独自の研究スタイルをお持ちです。
今日読んでいたのは全集(人文書院)の第8巻、「山の神」。原始信仰で人間の祖霊は蛇神であるとの説を展開されています。
その中で、例えば福井県大飯(おおい)郡大島村にある「ニソの杜(もり)」という聖域について書かれている箇所。
謎とされている「ニソ」について次のように推測されています。
那智田楽に北斗七星が「四三(しそ)の星」と唱われていることに対応して、「ニソ」は「二三(にそ)」、つまり「五」の「五黄土気」を意味するのではないか。
陰陽五行では人間は「土気」に分類されるので、ニソの杜は土気の杜として「人祖の杜」となる。五行と原始信仰の習合であろうと結論付けられています。
面白いですね。
「陰陽五行と日本の民俗」(人文書院)という代表作を読んでみたらあまりに面白くて、全集を何冊か買い求めることになりました。
もともと民俗学は好きで、易や陰陽五行も好きで学んでいますので、面白くないわけがないですよね。
河合隼雄さんやユングの心理療法も同じです。
河合さんの「カウンセリングの実際」(岩波現代文庫)があまりにも面白くて、このシリーズである「〈心理療法〉コレクション」を揃えたのですが、それでも飽き足らずに、ユング本人が心理療法について書いたものも読みたくなったという次第。
カウンセラーになりたいのではなく、自分がカウンセリングを受けているような心地よさがあります。
この歳でまだ面白いと思えるジャンルが見つかるのは、ありがたいことだと思っています。