インターネットを見ていたら、スティーヴン・ウィット著「誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち」(早川書房)という本が紹介されていました。
mp3やナップスターなどの発明者や海賊行為をしている人たちのことを取材した内容のようです。
Amazonにも多くのレビューが書き込まれています。
確かに音楽はタダといっていいような状況になっていますし、若い人の中には音楽にお金を払ったことがない人も増えているようです。
録音された音楽にしろコンサートにしろ、私の世代が音楽に一番お金を払った世代じゃないかと思います。
小学生の頃から、限られたお小遣いでEPやLPを買っては、何度も繰り返し聴いていました。
そのEPやLPは宝物でした。
今の同世代の子どもたちにとって、無料や定額制サービスで聴き放題の音楽はどのような感覚なのでしょう。
音楽自体がそのような状況に対して、録音や再生の技術は当時と比べて飛躍的に向上しています。
ハイレゾの音源を高級オーディオで再生して楽しんでいる人は多いですよね。
一方で、音楽はパソコンでYouTubeで聴ければ十分、という人も多いんじゃないかと思います。
それを考えると、録音された音楽を供給する人たちが一番大変なんじゃないかと思います。
昔みたいに録音された音楽にお金を払ってくれる人が少ないのに、ハイレゾとYouTubeの両方に視聴者がいるのですから。
もしかして、今の時代に音楽を純粋に楽しめているのは、楽器を演奏するアマチュアじゃないかという気がします。
大人の音楽教室の盛況ぶりを見てもそんな感じがします。
私は下手の横好きでバイオリンを細々と続けていますが、5弦バイオリンとかエレクトリックバイオリンのような魅力的な製品が次々に発売されています。
ギターをやっている人なんて、物欲を抑えるのに大変なんじゃないでしょうか。
冒頭に挙げた本のような音楽の話題を聞くたびに、音楽を取り巻く状況について、いろいろと考えさせられてしまいます。