音楽関連

今の時代に音楽を純粋に楽しめているのは楽器を演奏するアマチュアかもしれません

インターネットを見ていたら、スティーヴン・ウィット著「誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち」(早川書房)という本が紹介されていました。

mp3やナップスターなどの発明者や海賊行為をしている人たちのことを取材した内容のようです。

Amazonにも多くのレビューが書き込まれています。

確かに音楽はタダといっていいような状況になっていますし、若い人の中には音楽にお金を払ったことがない人も増えているようです。

録音された音楽にしろコンサートにしろ、私の世代が音楽に一番お金を払った世代じゃないかと思います。

小学生の頃から、限られたお小遣いでEPやLPを買っては、何度も繰り返し聴いていました。

そのEPやLPは宝物でした。

今の同世代の子どもたちにとって、無料や定額制サービスで聴き放題の音楽はどのような感覚なのでしょう。

音楽自体がそのような状況に対して、録音や再生の技術は当時と比べて飛躍的に向上しています。

ハイレゾの音源を高級オーディオで再生して楽しんでいる人は多いですよね。

一方で、音楽はパソコンでYouTubeで聴ければ十分、という人も多いんじゃないかと思います。

優れた楽曲と上手い女性歌手の歌は心に残ることを再認識しました

昨日インターネットを見ていて、たまたまジョーン・バエズが歌う「ドント・クライ・フォー・ミー・アルゼンチーナ」の動画を見付けました。

伴奏はアルゼンチンの方々と思しき弦楽四重奏とコーラスのみという編成です。

う〜ん、素晴らしい。

素朴な感じの演奏ですが、ジョーン・バエズの高いよく通る声とマッチして感動的です。今日、頭の中で何度も再生されていました。

この曲はマドンナ主演の映画「エビータ」で歌われていて、当時は私もよく聴いていました。

Wikipediaに「アルゼンチンよ、泣かないで」という項目でこの曲の詳細が載っているのですが、1978年のミュージカルのために書かれたんですね。

オリビア・ニュートン=ジョン、カーペンターズ、ドナ・サマーなど多くのミュージシャンがレコーディングしているようです。

実は最近、映画「千と千尋の神隠し」のエンディングテーマ「いつも何度でも」を動画で見て、これも印象に残ってしばらく頭から離れなかった経験をしたところでした。

この曲にはオリジナルを歌った木村弓さんのをはじめ、いくつかの素晴らしい歌声と伴奏の動画がインターネット上にあります。

仕事に関して調べているのに気が付くと趣味で調べていることに呆れてしまいます

先日ブログに、新たに発売されたiPod touchについて、音楽用としてではなくアプリの動作チェック用に買おうかなと書きました。

三十代の頃、最初に買ったiPodは音楽を聴く機能しかありませんでしたし、それまでもカセットテープのウォークマンやMDのポータブルプレイヤーなど、純粋に音楽を聴くためだけのものでした。

それらのプレーヤーで音楽を聴くために、エアチェックをしたりレンタルCDを録音したりしていましたが、いつの頃からかそれもしなくなりました。

別のことに時間を使うようになったんですね。

もちろん今でも、時間が許せば好きな音楽を探して、お気に入りの音源を作っていたいです。

それ以外にも、シンセサイザーやデジタルレコーダー、ミキサーなどを使って多重録音をしていたい。

お金の許す範囲で好きなオーディオを揃えて、いい音で音楽鑑賞をしたい。

音楽に関するやりたいことは、これ以外にまだいろいろありますが、音楽以外にもやりたいことはたくさんあります。

大学生の頃や会社に勤めていた頃は、時間とお金の許す限りそれをやっていました。

しかしあるとき、あまりにも手を広げすぎて、こりゃ収拾がつかなくなるなと思ったんですね。

ハイレゾにしろLPにしろ各音楽媒体が一つの音楽ジャンルのような気がしています

インターネットを見ていたら、ウォークマンがさらにゴツくなったような音楽プレーヤーが目に止まりました。

何でも高性能なDACを搭載したDAPなのだとか。20万円くらいします。

DAC?DAP?・・・というわけで調べてみると、DACはD/AコンバーターでDAPはデジタルオーディオプレーヤーとのこと。なるほど。

ハイレゾ対応DAPというジャンルのオーディオ家電のようで、今流行っているようですね。

でもこういう機器の性能を活かすには、ハイレゾの音楽を購入する必要があるんですよね。

映画好きの人が、好きな映画をVHSテープで持っていたら、レーザーディスクが発売されたのでその映画をレーザーディスクで買いなおして、今度はDVDが出たので・・・今度はブルーレイが出たので・・・って切りがないのと同じみたいです。

私もLPで持っていたアルバムを結構CDでも買いなおしたんですが、SACD以降は買っていません。

さらにいえば、昨今は若い人にLPのようなアナログレコードが人気なのだとか。

最近よく思うのですが、ハイレゾ対応DAPにしろアナログレコードにしろ、それぞれが一つの音楽ジャンルなのではないかということ。

思春期に入る頃に洋楽をたくさん聴くことができてありがたく思っています

昨日は洋楽を聴き始めた頃の音楽を、深夜にインターネットで聴き返してみると、当時聴きながら感じていた気分が蘇ってくることを書きました。

ハードロックのような激しい曲やアメリカン・ポップスのような明るい曲よりは、シットリとした雰囲気のある曲の方がその傾向が強いです。

中学生になり思春期も始まって、精神的に不安定なことも増え始めた時期だということも関係していると思います。

深夜放送を聞き始めて、洋楽に触れる機会も飛躍的に増えました。

ビートルズのイエスタデイやサイモンとガーファンクルのスカボロー・フェア、デヴィッド・ボウイのスターマンなど、最初にラジオで聴いたときは耳が釘付けになりました。

こんなに美しくて雰囲気のある音楽があるということが衝撃だったのです。

私のような体験をした方は分かっていただけると思いますが、他にも素晴らしい音楽があるに違いないと思って洋楽を貪るように聴きました。

今、映画ボヘミアン・ラプソディがヒットしていますが、クイーンの曲はキラー・クイーンが何とかリアルタイムに近かったと思います。EPを買って繰り返し聴いていました。

レッド・ツェッペリンの天国への階段やピンク・フロイドの狂気などは、私にとっては過去の名曲、名盤なんですよね。

レコードプレーヤーからカセットテープに音楽を録音していたときの情熱を思い出しました

インターネットを見ていたら、ヤマハが27年ぶりにレコードプレーヤーを発売するというニュースに目が止まりました。

知人が持っていたのですが、ヤマハのプレーヤーといえばGT-2000です。

ターンテーブルが大きくどっしりしていて、本体の木の厚みが大きくどっしりしていて、専用ラックの木の厚みもどっしりしていました。

調べてみると1991年頃に限定生産品として復刻されたそうなので、それ以来ということでしょうか。

1980年代に普通に売られていたときは13万8千円。

そうなんですよね。凄まじいスペックの割にはとんでもなく高価ではなかった記憶があります。当時は59,800円のような価格帯に各社が魅力的な製品を投入して、しのぎを削っていましたから。

アルバイトをしたお金で何を買おうかいつも悩んでいて、しょっちゅう秋葉原に物色しに行っていました。

LPは欲しいは、オーディオは欲しいは、レコーディング機材は欲しいは、パソコンは欲しいは・・・。

今から思えば、世の中のバブル熱に浮かされて精神状態が普通じゃなかったと思います。

レコードプレーヤーなんてそんな時代の象徴的な商品のように感じるんですね。

そういえばカセットテープも人気だという話を聞きます。

いくつになっても新しい音楽を楽しめる人は音楽が大好きな人なのでしょう

先日より「新しい音楽を楽しめるのは30歳まで?」というニューズウィーク日本版の記事について書いています。

懐メロばかり聴いていて若い人の音楽が理解できない、そういう中高年にならずに、いつまでも音楽にオープンでいるためにはどうすればいいか、という提案で記事は終わっています。

考えてみると、今まで生きてきて、中高年の人で日々新しい音楽を発掘しようとしている人を見たことはありません。

私の周りにいるほとんどの人は、ミュージシャンや評論家の方などではない、つまり音楽とは関係のない職業の人ばかりです。

記事には、新しい音楽を聴かなくなる理由について、主に仕事や子育てで時間がないということが挙げられています。

しかし聴かなくなる理由は、そのようなライフスタイルの変化だけではないような気もします。

音楽を貪るように聴いていた10代、20代の頃を思い出してみると、あのような情熱が50代、60代、いや極論すれば死ぬまで続くとはとても思えません。

しかも音楽が好きな人ならば、どこかで自分の好きなジャンルを突き詰めて行く時期があると思います。

ある人はそれがジャズであり、ある人はワールドミュージックであり、ある人はオペラであり、ある人はバロックや室内楽であり・・・。

新しい音楽を楽しむといってもいろいろな考え方があると思いました

昨日ご紹介した「人々が新しい音楽を発掘する努力をやめる」年齢のような調査は、調査対象の人たちの傾向によっても大きく変わると思います。

高校を卒業するかしないかくらいの時期だったと記憶しているのですが、一度だけ行った中学の同窓会で、やんちゃしていた同級生たちが、「音楽は演歌だな」としみじみいっていたのには驚きました。

当時はYMOのようなテクノミュージックも流行っていて、まだまだ聴いてみたい音楽はたくさんあると思っていましたので。

ただ一方で、私の周りの親の世代で音楽が好きな人はほとんどいませんでしたし、その人たちがテレビで「いいね」といいながら聴いている音楽はほとんどが演歌でしたから、自分も将来はそうなるのかなと思ったりもしました。

以前ブログで、ビートルズばかり聴いている中学校の同級生のことを書きましたが、彼は音楽が大好きなわけです。

30代前半で独立したとき、一緒に仕事をしていた人も音楽が好きで、仕事中いつもBGMをかけていましたが、かける音楽はほとんど同じアーティストでした。

このような人たちは、最初から新しい音楽を発掘する努力をするタイプではないような気がします。

自分が新しい音楽を発掘する努力をやめたのはいつだろうと考えてしまいました

インターネットを見ていたら、ニューズウィーク日本版のWEBサイトで「新しい音楽を楽しめるのは30歳まで?」という記事を見つけました。

これはある音楽配信サービス会社の調査によるものとのこと。以下、その部分の抜粋です。

「フランスに本社を構える音楽ストリーミング配信サービスDeezerが、イギリスのユーザー1000人を対象に行った調査で、人々が新しい音楽を発掘する努力をやめるのは、平均して30歳と6カ月と発表した。」

このような内容の調査は、以前にも何度か聞いたような気がします。

私の場合は今の古楽好きになったのは40代でしたから、調査には当てはまらないような気もしますが、クラシック音楽自体は中学生の頃から好きでしたから、「同じジャンルじゃないか」といわれれば反論できません。

ただ、この調査の指摘する年齢で「新しい音楽を発掘する努力をやめ」たわけではないようにも思います。

精神の病気で音楽を聴く気になれなかった時期もありましたが、30代以降もコンスタントにCDを買ったりCDをレンタルすることは続けていました。

とはいうものの、この記事で指摘されているように、新しい音楽を発掘する意欲が満々だったのは20代前半までのような気がします。

何度聴いてもよく分からないから聴いているような気がします

今年の1月にニューイヤーコンサートに行ったことをブログに書きました。

そのときのプログラムにはビゼーの「アルルの女」組曲 第2番があり、それは中学1年のとき初めて買ったクラシックのレコードであること、40年以上聴いていないのにメヌエットやファランドールをよく覚えていたことも書きました。

メヌエットでフルートの人が息継ぎをするところや、ファランドールで輪唱のようにビオラが旋律を追いかけるところなどです。

じゃあ、なぜ40年以上も聴かなかったのかというと、レコードを買った当時、何度も繰り返し聴いてある程度曲を覚えてしまったからだと思います。

印象に残るメロディの曲とか、ドラマチックで心を動かされる曲などは、しっかりと記憶に残るので、聴き始めると記憶が曲を先読みしてしまう。なので聴く前から気分が冷めてしまう、というのが聴かなかった理由のような気がするのです。

もちろんビゼーの「アルルの女」組曲は名曲揃いで、メヌエットの美しいメロディなんて今聴いても心が震えます。

だからこそ記憶に刻み込まれるのだと思うんですね。

私が古楽を好んで聴くのは、そのようなことが少なく、同じCDを何度聴いても飽きないからです。