音楽関連

カナル型イヤホンはオーディオ界のけっこう画期的な発明だったのではないでしょうか

ここ数年、家電量販店のオーディオコーナーに行ったり、オーディオ雑誌を見たりして感じるのは、イヤホンが充実していることです。

数万円する、決して安くない商品が毎月のように発売されています。

私もSHUREのSE215という製品を持っていますが、耳にしっかり挿すカナル型で、外部の音もかなり遮断できて、それほど音量を上げることなく音楽を楽しむことができます。

最初にカナル型を買ったのは6、7年くらい前だと思います。

今ネットで調べてみたのですが、VictorのHA-FXC51という製品だったように思います。

このような形状は初めてでしたので、耳に突っ込むってどういう感触なんだろう、と買う前に少し躊躇した記憶があります。

しかし使ってみると、これはすばらしいと感動しました。

私は幅広いジャンルの音楽を聴く方なのですが、普段はあまり激しくないタイプを好みます。

ですので、クラシックでいえば室内楽をよく聴いていました。

外で音楽を聴くときは、昔からあるiPodに付属しているような形状のタイプや、メガネのフレームのように耳に引っ掛けるタイプ(オンイヤーヘッドホン?)を使っていたのですが、どうしても外の音が漏れてきて、あまり音楽を楽しめませんでした。

機材を買い込んで多重録音に熱中することはもうないと思います

YAMAHA DX7のFM音源が一世を風靡してから、Roland D-50のLA音源やKORG M1のPCM音源など、各社が独自の音源を競って開発していました。

KAWAIからも、確か127の独立した倍音を制御して、音作りをする方式のシンセサイザーが発売されていた記憶があります。

「すごい!」とは思いましたが、欲しいと思うまでには至りませんでした。

DX7やD-550のパラメータを覚えて音作りに格闘するだけで、もうへとへとだったのですね。

それに、効率的で思い通りに音が作れるような音源の方式なり、やり方なりを、私たち使い手が理解し始めていたこともあるかもしれません。

YMOがデビューして以降、1980年代はシンセサイザーや電子楽器の音色がフィーチャーされた時代だったと思います。

各楽器メーカーごとに音色に特徴があったので、TOTOのAfricaのDXブラスや、ヴァン・ヘイレンのJUMPのオーバーハイムなど、当時はフレーズを聴くだけで「あのシンセだ」と分かる曲が多かったです。

アート・オブ・ノイズやスクリッティ・ポリッティあたりになると、音色だけで音楽が作られているような、表現が行き着くところまで行ったように感じました。

研究者でもない人が楽器の波形を意識した時代でした

数日前、たまたま本棚を見ていたら、安藤由典著「楽器の音色を探る」(中公新書)という本を見つけました。

この本を読んだのは、多分私がまだ20代で、シンセサイザーで必死で音色を作っていた頃です。

至るところに赤いボールペンの書き込みがありました。

そのときは仕事でゲームのSEや、担当していた楽譜作成ソフトのサンプル曲の楽器音色を作っていましたので、楽器の音色にとても興味があったのですね。

今では考えられませんが、当時はDX7用のような有名シンセの音色データカートリッジが売られていましたし、キーボードの雑誌には音色の作り方講座や、音色パラメータの設定リストが掲載されていました。

NEC PC-8801に搭載された音源ボードやYAMAHA DX7のFM音源の登場で、一挙に音色エディットという行為が盛り上がったんですね。

シンセサイザーは発振器とフィルターと増幅器で音を作ります。

アナログの時代は、発振器で出力できる波形は、矩形波や三角波など数種類しかありませんでした。

それがFM音源になると、ある発振器の波形を別の発振器の波形で変調させることで、アナログシンセでは表現できない複雑な波形を作り出せるようになりました。

シンセサイザーを弾いていた頃を思い出しました

先日、Rolandの創業者、梯郁太郎さんがお亡くなりになりました。

この方がMIDI規格の生みの親で、電子楽器への多大な貢献を認められて、グラミー賞のテクニカル・グラミー・アワードを受賞されたのは記憶に新しいところです。

Rolandといえば、以前ブログでDTMが大流行していたときのお話をしたと思います。そのとき書いた機材はSC-55ですね。

私がバンドに熱中していた頃、シンセサイザーを何台か購入しました。

その中に、RolandのD-50のモジュールタイプでD-550というモデルがありました。

このシンセサイザーは、PCM波形とアナログ波形を組み合わせて音を出すタイプです。

当時、大ヒットしていたYAMAHA DX7のFM音源は、金属的な音色は得意なのですが、ノイズのきれいなアナログシンセのようなストリングスはちょっと苦手でした。

そんな中でRolandのD-50が発売されたんですね。

Rolandのシンセは昔からストリングスの音に定評がありましたので、とても重宝しました。

「Fantasia」という、D-50でしか出せないようなプリセット音色は有名ですよね。

CDは奇跡的に残っていますが規格の意味はなくなるかもしれません

音に関するハードウェアについて、何回かに分けて書いてきました。

カセットテープやLPレコードは今でも販売されていますが、さすがにこれらをメインに音楽を聴いている人は、それほど多くはないと思います。

オーディオCDは、1980年代後半には購入していた記憶がありますので、とても長く残っている規格ではないでしょうか。

今でもオーディオメーカーのDENONやマランツから、CDプレーヤーの新製品が発売されていますので、CDをメインに音楽を聴いている人は多いと思います。

DVDやブルーレイのプレーヤーでもCDは再生できますので、MDのように聴けなくなることは当分なさそうです。

しかし、以前よりCDに取って代わろうとする規格はいくつかあって、一時期iTunesのダウンロード販売で音楽を聴いている人が増えたと思っていたら、最近は定額制のストリーミングサービスで聴く人が増えているらしいですね。

それでは、主流はストリーミングになるのかといえば、そうなのかもしれないけれど、規格というものは、もうどうでもよくなって行くように感じています。

私は古楽が好きでよくCDを買っているのですが、数年前から、バッハ全集のような60枚組み、100枚組みのボックスを見かけるようになりました。

アナログであるほどフォーマットに影響されないのかもしれません

今LPレコードが復活していますよね。若い人でも好きな方は結構いらっしゃるみたいです。

デジタルのように、収録できる周波数の制限がなくて音がナチュラルだったり、レコードジャケットを鑑賞できたり、というような他のメディアにはない魅力があるからでしょうか。

どんな世界にもマニアはいると思いますが、オーディオの世界は特に多いと思います。

しかもLPレコードになると、マニア心をくすぐる部分は多いです。

レコード針とMM/MCカートリッジや、トーンアーム、ヘッドアンプからレコード盤のクリーナーまで、こだわるところはたくさんありますよね。

LPレコードは完全に平らではなく回転中は少し波打つので、ターンテーブルがLPレコードを吸引して、LPレコードとターンテーブルを一体化させるレコードプレーヤーもありました。

デジタルだと規格が変われば使えなくなる部分が多いですが、アナログだとそのようなことが少ないのかもしれません。

SPレコードなんてその最たるものです。

SPレコードのコンサートに行ったことがあるのですが、蓄音機のアームやホーンの効率がいいのか、電気を使っていないのに結構大きな音量で、艶やかな音がしていました。

記録メディアが必要な録音機器は時代が変わると悩ましいです

昨日は音楽鑑賞用のハードウェアのお話をしましたが、記録メディアの変遷によって使えなくなってしまうのは、音楽作成用のハードウェアにしても同じです。

例えば、先日記事に書いたADAT。

当時は、手に入りやすいS-VHSのビデオテープに、マルチトラック録音ができる製品として一世を風靡しました。

今でも録音機器などのインターフェースに、ADATオプティカル端子を見かけます。

それほど普及したんですね。

一世を風靡したといえば、サンプラーという、音を録音してそれに音階を付けて発音させる機器があります。

サンプラーが出始めた頃に、AKAIのS900という製品があり、私も持っていました。

とても太くていい音がすることもあり、これもかなり売れたのではないかと思います。

当時の技術で作られていますので、12bitサンプリングで、記録媒体に2DDの3.5インチフロッピーディスクを使っていました。

S900は独特の存在感がある音ですので、今でも使っている方は多いのではないでしょうか。というより、これからもずっと使い続けたいミュージシャンは多いと思います。

パソコン周辺機器に限らずフォーマットが古くなると使えなくなります

昨日お話したように、OSに対応していないパソコン周辺機器は使えなりますが、パソコンの世界に限らず、いつの間にか使えなくなるという製品は多いです。

音楽の話に限ってもDATやMDはそうですね。ライブ映像なども含めるとレーザーディスクもそうです。

DATは音関連の仕事をしている人にとっては必携だったように思います。

バンドなど、自分たちで作った曲をマスターテープにする際は、重宝する規格でした。

それまでは、高価なオープンリールや業務用のPCM録音機くらいしかなかったのですから。

私は、SONYのTCD-D7というポータブル機を持っていました。DAT WALKMANといわれているだけあって、持ち運びに便利でした。

DATは使っている人の絶対数が少なかったので、使われなくなるのは分かる気もしますが、MDの方は使っている人は多かったのに、目にしなくなるまでの期間が早かった気がします。

カセットテープくらい長い間、取って代わられるフォーマットが現れなければ、残って行くのでしょう。

家電量販店に、あれだけ大量に録音用MDディスクが売っていたので、今でもMDディスクを大量に持っている人は多いと思います。私のように・・・。

周辺機器はパソコンのOSが対応していなければ使えなくなります

昨日書きましたように、パソコン周辺機器のボード類は、OSが対応していなければ使えなくなってしまいます。

そんな中でも、究極の品の一つかな、と思う製品を持っています。YamahaのDSP FACTORY DS2416というボードです。

これは当時、O2Rというデジタルミキサーがあったのですが、それをチップ化したものです。

Windows 95、98、2000用のドライバーがありました。

O2Rの68万円に対して、ボードの価格は9万円台でしたので、とんでもなくコストパフォーマンスはよかったです。

Cubaseというシーケンサーソフトがそのボードに完全に対応していて、パソコンからボードのデジタルミキサーを制御できました。

私は一時期、映像編集の仕事をしていたことがあるのですが、その際にADATで録音したものをCubaseで編集して、映像用のデータに落とすということをしていました。

仕事内容に対して、このボードはオーバークオリティでしたので、いつかは音楽制作に活用したいと思っていたのですが、いつの間にか世の中はWindows XPになり、活用する機会を逃してしまいました。あぁ・・・。

パソコンで職人的な音のデータ作りをしていました

Windows 98からは、OSにソフトウェアMIDI音源が標準で含まれるようになりました。

ソフトウェアMIDI音源というのは、Roland SC55のようなハードウェア音源をソフトウェア的にシミュレートしたものです。

シミュレートといっても、波形に使うメモリの量も制限されますし、アナログ出力までのクオリティは専用ハードに比べるべくもありませんが、とてもいい音だと思います。

パソコンメーカーも、マザーボードにサウンドボードを標準で搭載するようになりましたので、わざわざサウンドボードを購入する必要もなくなりました。

当時のサウンドボードやMIDIインターフェースのようなボード類は、今のパソコンOSには対応していないでしょうから、ほとんどが使えないと思います。

とはいえ、そうなる前は、インターネット上にROLANDのSCシリーズやYAMAHAのMUシリーズ用の音楽データが溢れていたものです。

MIDIという標準仕様と、SCやMUという音源の普及によって、演奏データのクオリティを競い合う環境が出現したんですね。

今考えてみると不思議な時代だったと思います。