易経を覚えるために、毎日「今日はどのような日になるでしょうか」と占っては解説書を読んでいます。
今日出た卦は雷沢帰妹(らいたくきまい)の上爻。
卦辞は「帰妹は、征(ゆ)けば凶。利するところなし。」
爻の意訳は、本田済著「易」(朝日選書)によると次のようになります。
「娘が嫁入りのときに捧げ持つ手箱にはなかみがない。花婿たるべき男が婚礼の儀式のために羊を割けば、不吉にも血が出ない。」
私の持っている解説書はどれもそのままの意訳。救いがない。
そんな中、河村真光著「易経読本」(光村推古書院)はあるエピソードのもと、易本来の考え方とともに独自の解釈をしています。
何でも少し易の知識のある女性が、この帰妹は最凶の卦であることを耳にしていた。あるとき易者に占ってもらったらこの卦が出た。それ以来、彼女は帰妹という字を見ただけで拒否反応を起こすらしい。
以下、抜粋です。
「そこで私は、帰妹は、ただ天地の条理を強調するだけのもの、要するに初めのボタンの掛け違いは、しまいまでそれが尾を引く、当たり前のただそれだけのことを言っているにすぎない、と話した。」
河村さんによると、「本来、「易は以て険を占うべからず」(左伝昭公十一年)が鉄則である。また易経には、随所に悲愴感と危機感に満ちた言葉が出てくる。しかし易の真髄は、本来健康な楽天主義であり、行間にひそむのは、あくまでもたくましい人間性の謳歌である。これをうっかりして、表面的な言葉だけにとらわれると、易はたちまち俗占に陥る危険性がある。」とのこと。
私も易本来の考え方を身に付けて、もっと自由に解釈できるようになりたいと思っています。