人の精神に進化の名残があるというのは面白い考え方だなと思います

今日、ユングの「夢分析論」(みすず書房)を読んでいたら、人間の精神の発達について面白い記述がありました。

以下抜粋します。

「人間の体はそれぞれの背後に長い進化の歴史を備えた器官の博物館である。それとちょうど同じように、私たちは精神のことも歴史抜きに生み出されるものと見なすのではなく、体と同じような方法で組織されているものと推定すべきなのだ。 (中略) まだ動物と類似した心を持っていたアルカイックな人類のもとで始まった、精神の生物学的、先史的、無意識的な発達のことを、私は言っているのだ。この計り知れないほど古い心が、私たちの精神の基盤を形成しているのである。私たちの体の構造が全般的に言って哺乳類の解剖学的構造の上に組み立てられているのとちょうど同じことだ。」

なるほど、そうですよね。

よく人間の体には進化の名残の器官があるって聞きますよね。尾てい骨は尻尾の名残だっていいますし。

人間の器官がそうならば、人間の精神だって進化の名残があってもおかしくはないということですかね。

ムカッとする感情なんて、恐竜が生きていた時代からありそうです。

ユングはこのあと、心理学者は夢や無意識の産物に十分な経験を積むことに加え、神話についても同じような経験を積む必要性を説いています。

さらに、統合失調症やヒステリーなどの事例と古典的な悪魔憑きの事例の双方にも、十分な知識を有することを勧めています。