今日は秋山さと子著「占いとユング心理学―偶然の一致はなぜ起こるのか」(KKベストセラーズ)を読んでいました。
易経の解説本に、「ユングが易に興味を持っていた」という記述をよく見かけます。
そのような本と一線を画すのは、秋山さんはチューリヒのユング研究所に学んだユング派心理療法家だということ。
この本は何故ユングが易経に興味を持っていたのかという、正にその理由が主題の一つになっています。
例えばユングの元型について次のような記述があります。
「ユングは『易経』の考え方は、自分の元型の考え方と共通するということで、非常に興味を抱いたのです。易の中には人間の心理的な基本がすべて含まれているというわけです。
さらに易では、パターンがそれぞれ自然現象にもたとえられているし、人間の身体の各部や動物にも対比されています。そのため、そのイメージをありありと思い浮かべることができます。これらのことにもユングはひかれました。そうしたイメージが夢を解釈するうえでも、参考になると考えたのです。」
シンクロニシティ(同時協調性)にも次のような記述が。
「易はシンクロニシティの考え方に通じているとユングは考えました。易では自分の心中に起こることを占うと同時に、外の世界で起こることを占うのです。つまり、この二つが一致した時に何かが起こるわけですから、そういう点で易こそシンクロニシティだということなのです。」
面白いですね。
私にはとても興味のある主題なのですが、ユングと易経というちょっと読み手を選ぶ題材のせいか、残念ながらこの本は絶版になっています。