仏教と臨床心理分野との連携で新しい体系が生まれてくることを期待しています

今日プラユキ・ナラテボーさんの「苦しまなくて、いいんだよ。」(Evolving)を読み終わりました。

最初、魚川祐司さんとの対談「悟らなくたって、いいじゃないか」(幻冬舎新書)を読んで、プラユキさんは瞑想指導だけでなくカウンセリング的なこともやられているということを知りました。

なのでプラユキさんの著書、「自由に生きる」(サンガ)を読んでみたのですが、確かにA子さんという方に対する心理療法の克明な記録があります。

そしてこれがとても面白い。

しかもA子さんとともに、A子さんが見た夢の分析をされています。

夢分析といえばフロイトやユングが思い浮かびます。

フロイトといえば性的なものに関連付けられると思いますが、プラユキさんのアプローチを見ると、クライアントと一緒に考えるユングのものに近いような気がします。

さらに冒頭の「苦しまなくて、いいんだよ。」の最後の章、「付記 これからの仏教」には次のような記述があります。

「特に「影の統合」や「自我の確立」などは、深い苦悩や心の病に陥っている人がそこからの解放を得るにあたって極めて重要なものでありながら、無視されるか、あるいは仏教的な文脈のなかで全否定されてしまったりもしています。そのあたりの偏見を正して、瞑想と心理療法的なさまざまなアプローチ、さらには精神医学がうまく統合され、バランスと調和を持った新しい体系が生まれてくることを期待しております。」

文中の「影の統合」ですが、これもユングの理論ですよね。

プラユキさんも「心理療法的なさまざまなアプローチ」とおしゃっているので、さまざまなアプローチの中にユングも含まれているということなのでしょう。

私も「新しい体系が生まれてくることを期待し」たいと思います。