現実と異界の往復運動の楽しさでコンピューターを触っているのかもしれません

ブログに何度か書いているのですが、寝る前にすき間読書として河合隼雄さんの「ユングと心理療法」(講談社プラスアルファ文庫)を読んでいて、これがとても面白い。

気になる箇所があれば、ページ上部の端に折り目を付けているのですが、折り目だらけになっています。

今回折り目を付けたのは無意識と通路の話。以下抜粋です。

「無意識の深みにいたろうとするとき、われわれは適切なる「通路」を必要とする。 (中略) このように考えると、ただ単純な箱庭療法の箱が、その大切な通路の役割をしていることに気づかれるであろう。 (中略) 『トムは真夜中の庭で』の場合、裏庭のドアの果している役割は重要である。このなかで、ドアは、人間の真実の姿や価値を発見するための『通路』になっている。・・・・・・そのドアの一歩手前には、何の異常もない日常生活が待っている。ドアを潜る。ふしぎな世界。ドアからもどる、普通の世界。この、現実世界から異質の世界へ、異質の世界から現実へ、という往復運動。この繰りかえしの楽しさが、『通路』によって成立している」

これを読んでいるときふと思い出したのが、二十歳くらいのときに初めてコンピューターに触れたときの感覚。

河合さんのいう、この現実世界と異質の世界の往復運動が楽しいという記憶です。

河合さんのいう「通路」が、当時初めて触れたプログラミングなのか何なのかは分かりませんが、この楽しいという記憶で、今までコンピューターに触れてきたのではないかと思いました。