何回かにわたって、小学校でプログラミング教育が必修化されることと、それに伴い、子供たちは更に忙しくなるのではないかということを書いてきました。
自分もそうですが、プログラミングをして疲れたら、つい、だらだらとネットサーフィンをしてしまうことがあります。
そのようにして、一日中パソコンの前から離れない子供も出てくると思います。
精神科医の泉谷閑示さんという方が、人間の「頭」はコンピュータ的で効率を求めるのに対し、「心」(=「身体」)は生き物なので、「頭」が「有意義」の名のもとに効率を求め続けると、「心」(=「身体」)は反逆を始める。それが「うつ」の状態である、ということを仰っています。
http://diamond.jp/articles/-/2553
まさに、私がパニック障害になってしまった原因なのではないかと思います。
辰濃和男さんの「ぼんやりの時間」(岩波新書)という本があります。
いろいろな例をあげて、ぼんやりと過ごす時間の大切さを書かれていて、私の好きな本です。
この本の中で、ミヒャエル・エンデの「モモ」が、時間泥棒たちのインチキを見破ったのは、ものごとの本質を見抜く力をもっていたからで、それを身につけることができたのは、つねに夜空をながめながら、ぼんやりした時間をたっぷりともっていたからではないか、と仰っています。
私も「モモ」は読みましたが、すぐにこのような大事なことは忘れてしまうんですよね。
先にあげた泉谷閑示さんも、このような時間こそが、「心」(=「身体」)にとって大切な時間であり、人類の文明や文化を築いてきた根源でもあると仰います。
私が今、小学生だったら、ちょっとした時間さえテレビゲームやパソコンに手を出してしまいそうです。
子供たちには、ぼんやりの時間の大切さを分かってもらえる機会を与えて欲しいと思っています。