幸福であれば上手く行くことばかりでもないような気がします

以前、TEDトークで話題になったので知っている方も多いと思いますが、心理学者のショーン・エイカーさんという方がおっしゃっていた「成功すると幸せになるのではなく、幸せだから成功する」という考え方があります。

簡単にいえば、脳がポジティブな状態のときの方が、ネガティブな状態のときよりも生産性が高くなる。その結果として、成功しやすくなるということのようです。

何を持って成功かという話はちょっと置いといても、一般的なことでいえば、学業やスポーツや仕事でいい成績を上げるということには貢献するだろうと思います。

上手く行かなかったことを散々絞られたあとに行動するよりも、上手く行ったことを賞賛されたあとに行動する方が、全然パフォーマンスが違いそうだということは理解できます。

その一方で、クリエイティブの世界では、この考え方はちょっと当てはまらないような気もしています。

例えば小説家や作曲家、画家のように作品を生み出す人ですね。あるいは役者や歌手のような表現をする人。

もちろん、底抜けに明るいお話や歌というのも、あるにはあると思います。

しかし、じっくりと味わってみたいと思わせる作品には、心を動かされる何かがあるのではないでしょうか。

自分の報われない境遇と重ね合わせたり、人間の悪の部分を知ることで深く考えさせられたり。

音楽療法には「同質の原理」というものがあるようですね。

悲しいときには悲しい音楽を聴くことで、自分の気持ちを代弁してもらう、安心感を覚えるなどの効果から、心の傷が回復しやすくなるということのようです。