先日、ライプニッツに注目するようになって、17世紀にとても興味を持ち始めていることを書きました。
彼は数学や科学の分野に多くの業績を残したのですが、最善説のようなものを始めとして、世界を説明する際に神の影響を語ります。
ライプニッツとほぼ同時期に微分積分を発見したニュートンにしても、二人より少し前のデカルトやパスカルにしても同じような宗教色を感じます。
その時代背景を説明してくれそうな本はいろいろあるようですが、手軽そうなところで、森毅さんの「魔術から数学へ」(講談社学術文庫)と三田誠広さんの「ダ・ヴィンチの謎 ニュートンの奇跡」(祥伝社新書)を購入しました。
ざっと目を通してみると、どちらの本も数学と宗教の両面から人物と時代を解説してくれていますが、三田さんの方はより具体的な思想や団体名が示されていて、まさにサスペンス小説を読むように引き込まれてしまいます。
森毅さんの方はスコラ哲学、自然魔術、産業技術、封建貴族と王の官僚としての知識層、その知識層と結びつく商工業者など、より広範な範囲から考察されています。
私は昔から森さんの柔軟な発想と遊び心が大好きで、目に留まったエッセイ本はできるだけ買いましたし、手に入らないものは図書館で目を通しました。
体調を崩して精神的に参っているとき、森さんの本を読んでいると不思議と気持ちが安らぎましたし、勇気付けられもしました。
しかし今までこの本は知りませんでした。私が買ったものは第27刷まで版を重ねていて、有名な本のようなのですが。
たぶんタイトルに「数学」と入っているので、私の深層意識が避けていたのだと思います。
このような本や世界を知ったのもライプニッツを読んだことがきっかけですし、ライプニッツに出会えてよかったと思っています。