名車や楽器などの名器があまりに価値が高いと所有する喜びはわかないかもしれません

数日前のニュースですが、富山県の国道でトヨタ2000GTが倒木の直撃を受けて大破し、所有者と運転手の方が県を相手に車代や治療費などの損害賠償を求め訴訟を起こしていたようですが、それが和解する見通しになったそうです。

和解金は1787万円。

トヨタ2000GTといえば、アメリカのオークションで1億円を超える高値が付いたことが話題になったように、この和解金も普通の乗用車とは桁が違います。

私は昔のクルマが好きで、自宅の車庫にこの2000GTを置いて毎日眺めることができたら幸せだろうな、と考えることもあるのですが、このようなニュースを聞くとちょっと引いてしまいます。

バイオリンのストラディバリウスを所有しているあるバイオリニストがインタビューで、自分のものという意識はなく、次の世代に継承するために預かっているという趣旨のことをおっしゃっていました。

私もお金があれば、名車とかバイオリンの名器といわれるものを所有してみたいとは思いますが、クルマであれば雨の日であろうが乗りたいときは乗りたいですし、バイオリンであればお酒を飲んで気分がいいときに弾いてみたくなることもあると思います。

次の世代に継承するための預かり物という意識で触ると、酔いが醒めてしまいそうです。

名車や名器を所有する喜びというのは確かにあると思いますが、その価値がある閾値を越えると喜びが恐れに変わりそうです。