易は「ああでもない、こうでもない」といくらでも解釈を楽しめそうです

昨日は易は64卦384爻という膨大な数の物語があるため、それを覚えるとなるととても長い時間がかかりそうだ、というお話をしました。

さらに易には、物語の他にいろいろな特記事項があるようなのです。

例えば陽の横棒3本が上の卦、陰の横棒3本が下の卦で構成されている「天地否(てんちひ)」は、大往小来=徳の優れた人物(大)は去り(往)悪人(小)が支配する(来)という意味があるのですが、本田濟著「易」(朝日選書)には二通りの解釈があるとしています。

その一つに、「風山漸(ふうざんぜん)」という卦の、三番目の陰の横棒と四番目の陽の横棒が入れ替わった、つまり大(陽爻のこと)往き小(陰爻のこと)来るからきた、という説を挙げています。

これは卦変という考え方のようですが、このような考え方もありだとすれば、他の卦にもたくさんパターンがありそうです。

もう一つ特記事項を挙げるとすれば、例えば先ほどの「天地否」の逆、陰の横棒3本が上の卦、陽の横棒3本が下の卦で構成されている「天地泰(てんちたい)」という卦があります。

その三爻目の説明(爻辞)に「食において福あり」という文章があります。

箕輪隆素著「艱難を裂く、決断の書「易経」」(幻冬舎)によると、下から二番目~四番目の爻を兌(だ)という卦とし、兌には収穫の秋という意味もあるので食物も豊かになる、というような解説があります。

このように、二番目~四番目のような位置にある爻を卦とみなすことを、互卦というそうです。

この考え方にもたくさんパターンがありそうです。

易は一生かかっても学びきれないということをおっしゃる方もいますが、確かにそうだなと思います。

私はものごとを「ああでもない、こうでもない」といろいろに解釈することが好きなのですが、易の世界はものすごく楽しめそうでワクワクしています。