小松和彦さんの「憑霊信仰論」(講談社学術文庫)を読み終わりました。
昨日読み終わった若桑みどりさんの「マニエリスム芸術論」(ちくま学芸文庫)といい、どんだけ読み散らかしているんだと自分でも呆れています。
いざなぎ流陰陽道のことなどが書かれていて面白いと思って読んでいたのですが、読み始めたのがはるか昔なので内容を忘れてしまっています。
ただ以前ブログにも書いたように、二十代から小松さんの「日本の呪い」のような本を読んでいたので、本文に出てくる呪詛とか式神などの言葉は知っていました。
それに複数の論文をまとめたものなので、テーマも幅広く私にはすんなり読める内容でもないので、これだけ時間がかかってしまいました。
先日、数回読み返したい本が百冊くらいあるので、しないことリストに本を買いすぎないことを追加したと書きましたが、小松さんの本もそれに含まれます。
なのでこの本もいつかは読み返すつもりです。
この本の最後、佐々木宏幹さんという方が「解説」で次のように書かれています。
「小松和彦氏のこれまでの研究活動は、鬼とか憑霊とか、妖怪とか異人とか、闇とか”いざなぎ流”とか、何か隠微でおどろおどろしい性格のものとの印象を与えてきたし、本人もこれを認めているようだ。」
私には、昨日書いた若桑みどりさんの本に感じる魅力と共通するところを感じます。
小松さんのような人間の闇の部分を中心に論文を発表されている方が、現在国際日本文化研究センターの所長を務められていることに、何だかいい時代を生きてるなーと思ったりします。