普通に生活していても、精神的にどんよりしてしまうできごとに遭遇してしまいます。
今日もプライベートでそのようなことがあって、仕事に集中できなくて困ってしまいました。
こういうときに、これをやれば心が晴れるというものがあればいいのですが、そんな都合のいいものはありません。
私だけかもしれませんが、これが私が五十数年生きてきて分かったことです。
しかし、必要以上に心が落ち込むのを防ぐことができそうなものは、いくつか見つかりました。
それは今までブログに書いてきたように、唯識仏教であったり、易経であったり、陰陽五行であったりします。
いずれも千年以上の歴史を持つためか、数年学んだだけではまだ全貌さえつかめない感じです。
先日ブログで、根本幸夫・根井養智共著「陰陽五行説―その発生と展開」(薬業時報社)のことを書いたとき、「陰陽五行説は、陰陽説と五行説が結合したものであるが、中医学も含めて、すべての漢方医学の基礎である。」という文章をご紹介しました。
陰陽五行といえばスピリチュアルと捉えられている方も多いと思いますが、多くの人が利用する漢方薬を含む東洋医学の理論的支柱でもあるわけで、今まで通り精神的な拠り所として学んで行く想いを強くしました。
それに、こちらも先日ブログに書いた、井筒俊彦さんの「コスモスとアンチコスモス」(岩波文庫)。
司馬遼太郎さんとの対談で、井筒さんは唯識について「長い伝統をもつヨガ修練の体験に方法論的に基づいてい」るから思想的に深いと、次のような説明をされています。
「ところが阿頼耶識の場合には、ユング的な集団的無意識の底に潜んでいるもうひとつの底の無意識、つまり「無意識」とすらいえないような意識の深みまで、唯識はいっていると思います。」
私のやっている坐禅の真似事くらいでは、唯識の表面さえ到達できないと思っていますが、こちらも精神的な拠り所として学んで行きたいと感じました。
これらをもっと学んで、自分と同じように心の拠り所のようなものを探している人に、できるだけ分かりやすく伝えて行けたらと考えているところです。