ここ数日、吉野裕子さんの本のことを書いています。
祭りや風習など、いわれがよく分からないものを、陰陽五行や易を用いることで謎を解き明かして行くのがとても面白いんですね。
この面白さは、私の中では、小松和彦さんの民俗学や若桑みどりさんのイコノロジーと通じるものを感じます。
象徴を読み解くというのでしょうか。
小松さんの本に、山姥の昔話をユングの普遍的無意識(集合的無意識)をもとに解説されている箇所があるんですが、河合隼雄さんの一連の昔話の本を興味深く読んだ私としては、吉野さんの本に同じ思いを抱くのは自然なことなんだろうなと思います。
ユングは易と共時性の関係を研究していたわけですし。
ただ最近思うのですが、私が面白いと感じるところを、同じように面白いと感じる人はどのくらいいるのでしょうか。
数年前に岸見一郎/古賀史健共著「嫌われる勇気」(ダイヤモンド社)がベストセラーになってから、アドラーに関する本が結構出版されました。
一方で、ユングに関する新刊はあまり見かけないような気がします。
心理学がそれほど売れるジャンルではないせいかもしれませんし、アドラーのヒットも異例なことだったのかもしれませんが。
とはいうものの、私のように、集合的無意識や共時性という考え方にどこかホッとする人はいると思うんですね。
だからこそ、上に挙げた方々は多くの書籍を出版され、評価されているのですから。
吉野さんではありませんが、陰陽五行で人の資質が分類できますので、精神活動を好みそうな五行の組み合わせの人とか、エネルギーの低そうな五行の組み合わせの人とかを集計して行けば、このような考え方に共感する人のパターンが見えてきそうな気がします。