水雷屯を四大難卦と考えなくていいと聞いて創造的な易の解釈ができそうです

昨日、河村真光著「易経読本」(光村推古書院)を少しずつ読み進めていることを書きました。

今持っている易経の本と違う解釈のものが欲しかったんですね。

そう考えてみると、悪いといわれている卦(か)の解釈に作者の想いがより反映されているんじゃないかと思って、代表的なものとして四大難卦を比べてみました。

四大難卦とは「水雷屯(すいらいちゅん)」、「坎為水(かんいすい)」、「水山蹇(すいざんけん)」、「沢水困(たくすいこん)」の四つ。

ちなみに私が持っている本で四大難卦を強調しているのは銭天牛著「すぐに役立つ銭流「易経」」(棋苑図書)のみで、本田済著「易」(朝日選書)や高田眞治、後藤基巳共著「易経」(岩波文庫)はそれはありません。

やはり銭さんは占い師ですので「占いの書」寄り、他の二冊は「義理の書」(哲学の書)寄りという違いがあるからでしょうか。

冒頭の河村さんは占い師をされていたようなのですが、「水雷屯」に関しては「決して凶の卦ではない」とおっしゃいます。

「易の研究誌などに紹介される水雷屯の占例は、四大難卦の筆頭として、草創期の苦難に直面して苦しむといったケースが多いが、その多くは屯についての誤解がもたらすものである。足止めをくって悩んではいるが、あくまでも願望成就、目的達成を前にしているから、行く手は決して闇ではない。それどころか対応次第では、豊かな実りの秋が控えている。」

昨日ブログで河村さんの本の解説より、「卦辞にしても爻辞にしても、言葉をあまり理詰めに考えない方がよい」とか「いっそ虚心になって、イメージとして浮かび上がるものを摑む以外にない」と書かれた箇所を抜粋しました。

その箇所の数ページ後にも、「読者各位も、少し慣れたら、それぞれが独自の創造的な解釈を試みて頂きたい。」とあります。

そういわれて創造的な解釈をしようとしても、やっぱり四大難卦は四大難卦として解釈をしなければならないんだろうなと思っていたのですが、河村さんの水雷屯の解説を読むと、その必要もなさそうです。

やっぱりいろいろな著者の解釈に触れるのはいいことだと思いました。