ティク・ナット・ハンさんは臨済宗と浄土宗が入っているので親しみやすいんですね

昨日はベトナム仏教にも臨済宗があり、ティク・ナット・ハンさんは臨済宗の方というのを初めて知ったと書きました。

本当に仏教についても知らないことばかりです。

先日書いたように、ティク・ナット・ハンさんのマインドフルネスの土台が大乗仏教の唯識にあるという情報と、マインドフルネスはテーラワーダ仏教のヴィパッサナー瞑想に端を発しているという情報に触れて、そのことを確認しようとティク・ナット・ハンさんの「ブッダの〈気づき〉の瞑想」(野草社)を注文していました。

読んでみると、確かに両方の教義に関する説明が出てきます。

例えば「〈気づき〉の瞑想のポイント」という章の最初の方に、「認識の対象と認識の主体は分かれては存在しません。この世のすべては心のなかで生まれているのです。」とあり、このあと唯識の説明があります。

そして次のように続きます。

「これは、大乗唯識学派で展開した見地です。南伝の仏教でも、あらゆる存在の源は心であるという考え方がはっきりしています。」

こちらもこのあと上座仏教の説明があります。

このような感じで大乗仏教と上座仏教の説明が両方出てくるんですね。このような本は、今まであまり見たことがありません。

インターネットで調べてみると、佼成出版社の「DANAnet」というWebサイトにその理由が書いてありました。

「ティク・ナット・ハン「マインドフルネス」が上陸した日」と題したこの本の訳者の一人、島田啓介さんのインタビュー記事です。

何でもティク・ナット・ハンさんの出身地ベトナムは、地理的に大乗仏教とテーラワーダ仏教が出会う場所らしい。

ベトナムの臨済宗ではテーラワーダ仏教の要素を取り入れた修行もするけれど、ベースは大乗。さらに浄土宗の阿弥陀如来への信仰も混ざっているとのこと。

そうなんですか。とても興味深いお話です。

この本を読んでいてどこか親しみやすさを感じていたのですが、このような理由だったんですね。