自分の心を持て余している方は唯識の入門書を読んでみるといいのではと思います

今日も引き続き竹村牧男著「「成唯識論」を読む」(春秋社)を読んでいました。

仏教の心理分析といわれる心所有法。その中の随煩悩といわれる箇所です。

六種類ある煩悩の心の動きに「随う」ので、随煩悩といいます。二十種類あります。

その中で印象に残ったのは「散乱」という心所。以下「「成唯識論」を読む」から抜粋です。

「心を、次から次へとさまざまな対象をおっかけていくようにするのが散乱です。これがありますと正しい禅定を邪魔します。 (中略) 心を統一してはじめて本来の智慧が生まれるのですが、そのことを妨げ、むしろ間違った判断・了解をもたらします。」

これは私がよくブログで反省していることですね。

気をつけなければ数冊の本を次から次に読み散らかして、一つのことに集中できない。

何冊か持っている唯識の解説書で、心所有法の箇所を何度も読み返しているのですが、五十一種類もあるのでなかなか覚えきれません。

とはいうものの、人の心をこれほど詳しく分析したものを他には知りませんので、読むたびに感心させられます。

瑜伽行唯識派のお坊さんたちは、瞑想によって自分の心を見つめつつ心所有法を作り上げて行ったのでしょう。

唯識を学ぶと心の仕組みが分かるので、自分の心がよく分からずに持て余している方は、唯識の入門書を読んでみるといいのではないかと思っています。