長い年月をかけて変わっていくのだろうと思います

臨床心理士などの肩書きを持つ、倉成央さんという方の「努力がすぐに結果になるたった1つのルール」(大和出版)という本に書かれているのですが、例えば親から「お前は頭が悪い」と言われ、その思い込みが真実に近い思考になったものをインナーメッセージと呼ぶそうです。

大人になって、これではいけないと決意し、インナーメッセージに反抗するように努力して生きているのですが、何かの拍子にインナーメッセージ通りの生き方に戻ってしまう。

心理学の交流分析では、前者を生き方を意識上の「対抗脚本」、後者を無意識の「人生脚本」という言葉で表すそうです。

それほど無意識の力は強いわけで、私が脳科学の本を読んだくらいで、すぐに変われる訳がありません。

ちなみにこの本には、インナーメッセージを変えるための演習も記載されています。

では、変われないかというと、それについては少し楽観的に考えています。

無意識とは違いますが、森博嗣さんの「人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか」(新潮新書)という、思い込みや常識などに囚われない、抽象的思考の必要性を説いている本があります。

人間の頭は自然なので、自分の庭のように、毎日自分の思考空間を観察して手入れしていれば、春になると新しい芽が出るように、自分の望む方向へ変化して行く、というようなことを仰っています。

とてもいい考え方ですね。

深層心理に話を戻すと、これまでお話してきたように、それに関係しそうなものは、手当たり次第に知ろうとしてきました。

しかし、自分の中でどのように取りまとめたらいいのか、途方にくれていたのが正直なところです。

そんな中、先日、井筒俊彦さんの「意識と本質」(岩波文庫)という本を知りました。

恥ずかしながら、とても有名な本らしいです。

まさに私の知りたかったことがまとめられています。というか、これから知りたくなりそうなことも、この本を読まなくては知りえなかったことも。

例えばつい先日、金谷治さんの「易の話」(講談社学術文庫)を読んだのですが、私には易の思想がぼんやりと分かっただけ・・・。

井筒さんは易の六十四卦を、深層意識の根源的イマージュの世界の成立する意識領域に分類して、体系的に説明されていました。

私にとっては難解な本なので、何回も読むことになると思いますが、興味のある内容なので、少しずつ理解して行こうと思います。