小松和彦さんのことを何度か書いてきましたが、私が最初に読んだ本は「日本の呪い」という題名だった記憶があります。
調べてみると、1988年に新書で発売されて、現在は「呪いと日本人」(角川ソフィア文庫)と改題されているらしいです。
20代後半だったと思うので、やっぱり当時からこの世界が好きだったんですね。
私の勤めていた会社に趣味の合う先輩がいて、この本を買ってすぐに「面白そうでしょう?」と見せたら、「こりゃすごい」と私が読む前に取り上げられたことがありました。
小松さんは当時から気鋭の民俗学者でした。
昨日まで能について書いていましたが、そのきっかけとなった安田登さんは、27歳から能の世界に入られたそうで、今ではワキ役の中堅として活躍されています。
野球のイチロー選手や、将棋の羽生名人の名前を出すまでもなく、一流の方は、早くからその道一筋に精進されています。
一方で私は、その時その時に興味のあるものを、あっちフラフラこっちフラフラとつまみ食いしているだけなので、エキスパートになれる分野もありません。
しかし最近思っているのですが、あるときは深層心理への純粋な好奇心から、河合隼雄さんや唯識などに興味を持ち、あるときは人々の精神活動が生んだマニエリスムや能などの成り立ちに興味を持つような人生は、結構楽しいものかもしれません。
せっかくブログも書いているので、興味の赴くままに続けてみようと思っています。