1970年代にオーディオのブームがありました。
今では考えられませんが、OTTO(三洋電機)やTechnicsといったオーディオメーカーのテレビコマーシャルもありました。
セパレートタイプのアンプやスピーカーなどは、今も昔も多くの製品が売られていますが、サイズに関してはあまり変わらないと思います。
違うのは、ここ数日お話しているイヤホンやiPodのような音楽プレーヤーに、小さくて音のいい製品がたくさんあるということではないでしょうか。
もちろん、昔は技術的に難しいこともあったと思いますが、大きなものを置くのが当たり前という、住環境の影響もあったのではないかと思います。
経済はずっと右肩上がり、終身雇用、年功序列で給料も上がる、そのうち大きな家に引っ越すことになる、という意識を、みんな心のどこかに持っていたのですね。
それに、ある程度大きくて高価な家電は、家具のような感覚があったのではないかと思います。
初期のテレビは観音開きの扉があったようですし、昔のステレオはアンプやレコードプレイヤーが一体型の家具調でした。
家電ではありませんが、私が小学生の頃は、アパートのような団地でも、アップライトピアノを置いている家は結構あったと思います。
音楽は家で聴くものだったので、ヘッドホンも大きくて立派なものでよかったのでしょう。