考えてみると、IT業界で多くの人が働き始めたのはここ30年くらいなわけで、この業界の方が特殊です。
インターネットなんて遥か昔からあるような感覚ですが、一般的な認識ではWindows 95あたりからですので、つい最近です。
多くの人がスマートフォンのない生活なんて考えられないと思いますが、ほんの十数年前までは携帯電話しかありませんでした。
それほどITには、短い期間に人々の生活をガラリと変える力がある、ということなのでしょう。
私は学生バイトからゲーム業界に入り、そのまま就職しましたので、最初からIT業界での働き方が普通になっています。
スーパーファミコンというゲーム機が発売されるので、それに対応したゲームを作る・・・今度はPlayStationというゲーム機が発売されるので、それに対応したゲームを作る・・・今度は・・・、というような経験をしてきました。
パソコンでも同じです。
Windows XXのサウンドドライバーの仕様が変更されたようで音が出ない。対応しなければ・・・。
新しいハードウェアが次から次に出てきますので、IT業界で仕事をするということは、必然的にこのようになるのですね。
対極にある業界として、代々技術を継承して行くことが重要な、宮大工さんのような職業があることは知っています。
伊勢神宮が20年ごとに立て替えられるのは、正確な理由は分からないようですが、技術の継承というのも目的の一つではないか、と考えられているようですね。
しかし、このような古い技術を守り続ける業界は、私たちの普段の生活にはあまり関係がないように感じていましたので、いつも目にしている身近な家具にそのような伝統があったことに、ちょっと驚いたというお話でした。
あらためて見なおしてみると、何十年と同じものを作り続けている業界は多いのかもしれないですね。