昨日、ある年齢に達すると音楽的嗜好は固まるとか、音楽を聴かない「無関心層」が増えているというニュースについて書きましたが、このような調査に対して、社会学や心理学の方面から何か考察はされていないのかなと考えました。
少し調べてみると音楽心理学という分野を見つけました。
以前から音楽にも心理学にも興味があったので、折に触れて調べてはいたのですが、調べ始めると「音楽療法」というキーワードばかり出てくるので、音楽と心理学が結び付いたら音楽療法になるのか、と勝手に思い込んでいたのです。
音楽なんてたくさんのジャンルがあって、同じ曲を聴くにしても、聴いているときの感情や、演奏家の演奏などで、印象はコロコロ変わります。
とても科学的なデータなんて取れそうもないので、学問としては成り立たないだろうと・・・。
ところが音楽心理学という学問は存在していて、インターネットで見つかったいくつかの論文を読んでみると、確かに被験者に音楽を聴いてもらって、その際に感じる感情などの統計が取られています。
さらに調べていると、「音楽はなぜ心に響くのか 音楽音響学と音楽を解き明かす諸科学」(コロナ社)という書籍がありました。
「音楽はなぜ心に響くのか」という問題に対して、音楽学、社会学、心理学、音響学、情報学、医学などさまざまな分野での研究を取りまとめた、という内容のようです。
その書籍の紹介ページには「まえがき」が抜粋されていて、「音楽はなぜ心に響くのか」の問いに、明確に答えを見いだすことは難しいかもしれないが、各分野でどのような研究がなされているかわかっていただくことを期待したい、というようなことが書かれています。
これを読んで、私が音楽心理学のような学問は成り立たないと思い込んでいたことも納得できましたし、その一方で、着実に研究が進んでいるということも理解しました。
インターネットの情報だけでは詳しいことは分からないので、谷口高士さんという方の「音は心の中で音楽になる 音楽心理学への招待」(北大路書房)という本を購入しました。