谷口高士さんの本、「音は心の中で音楽になる 音楽心理学への招待」(北大路書房)が送られてきたので読んでいます。
さまざまな実験によって、人がリズムや和音を認知する過程などを調査して行く、大変興味深い内容が書かれています。
昨日お話したように、音楽を聴いているときの感情などはデータに取れないだろう、というのは私の思い込みであって、研究は着実に進んでいるようです。
その一方で、文章中に音律などの楽典用語や、フーリエ解析のような物理学用語が出てきますので、音楽心理学に携わる方は、音楽大学に入るくらいの知識に加え、理科系の研究にも興味を持つ人じゃないと務まらないんだろうなと感じました。
インターネットで調べていると、京都市立芸術大学音楽学部の音楽学・音楽心理学研究室教授の津崎実さんという方が、この学部に興味を持たれている方に向けて説明をされているWEBページがありました。
http://w3.kcua.ac.jp/~mtsuzaki/japanese/toWhoWantsToBeInPHAM.html
どのようなことをするかとてもよく分かります。
やはり音楽学部だけあって、入試にはピアノの試験がありますね。研究者になるには、なかなかハードルが高そうです。
本を読んでいてもう一つ感じたのは、私が「音楽心理学」という言葉に期待していたのは、河合隼雄さんの本を読んでいて感じるような、無意識下の驚くような現象を解明する内容であって、それとはちょっと違うようだということでした。
突拍子もない例で申し訳ないのですが、ハーメルンの笛吹き男の笛が催眠効果を持っていたならば、それは周波数や旋律など、どのようなものが考えられるか、みたいな・・・。
そんなものは実証研究でもなんでもないので、想像した私の方が間違っていますよね。
もしかすると、私が一番興味を持っているのは、音楽学の中でも、社会学や民族学寄りなのかもしれないなと思いました。