ここ数日書いているお話は、音楽心理学という分野があるということに興味を持って書き始めたものです。
音楽心理学を専門にされている谷口高士さんの本を拝見していると、実験によって人がリズムや和音を認知する過程などが紹介されていて、大変興味深いのですが、読み進めて行くうちに、自分はもう少し文化人類学寄りの内容を期待していたのかな、と感じるようになりました。
そう考えていると、昔ワールドミュージックをよく聴いていたことや、小泉文夫さんの本が面白かったことを思い出して、本棚から引っ張り出して読んでみました。
小泉文夫さんのプロフィールは民族音楽学者となっているようですので、自分はこの分野が好きなのかといろいろ調べていると、小泉文夫さんは比較音楽学というアプローチを取っているようです。
比較音楽学というのは、さまざまな民族の音楽を西洋音楽と比較しながら研究する学問、民族音楽学というのは、ある民族の音楽を文化人類学の手法を取り入れて研究する学問、というような違いのようです。すごく簡単にまとめましたが。
それに加えて、小泉さんの民謡やわらべ歌の研究は、民俗学の「基層文化」という概念を参考にされていたみたいです(福岡正太 2003 「小泉文夫の日本伝統音楽研究--民族音楽学研究の出発点として」『国立民族学博物館研究報告』28(2) pp.257-295)。
以前からよく読んでいた小松和彦さんは文化人類学の方なので、小泉文夫さんにも同類を感じて好きなのかと思ったのですが、研究方法の違いでこのように「専門分野」が分かれることにちょっと驚きました。
私のような一般の人たちには簡単に判断しづらいかもしれません。
音楽心理学についても、本を読み進めていると、音楽を聴いたときに快感でぞくぞくする感じ、のようなことも研究の対象になっていて、こちらもぜひ学んでみたい分野だと思いました。