野澤豊一さんという文化人類学者の方が、金沢大学の国際文化資源学研究センターのホームページで、ご自身の研究と民族音楽学について書かれています。
http://crs.w3.kanazawa-u.ac.jp/other/colum/colum_20120512.html
この方は、アメリカ黒人教会の音楽(ゴスペルですね)のフィールドワークをされています。
私も、礼拝のときに熱狂的な歌やダンスが行われている映像を見たことがあるのですが、野澤さんはこのような現象を「音楽とその周辺の人間行動」といった側面から追及されているそうです。
最初、このような研究をする学問こそ「民族音楽学」だろうと思われていたそうですが、ほとんどが「ゴスペル音楽」についての研究であって、「音楽とその周辺の人間行動」について調べたものはほとんどなかったようです。
確かに、民族音楽学者の方が所属しているのは音楽学部のようですし、研究対象が人間の聴覚と音響周辺が中心になるのは納得できる気がします。
この文章を読んで私が興味を持ったのは、文化人類学者の方が直接、自分の研究範囲と民族音楽学の研究範囲を比べられていたことです。
先日から音楽心理学の本を読んでいて思ったのですが、この分野の方は、楽典や心理学の知識はもちろん、音響物理学の知識も必要みたいですね。
そう考えると、自分の研究分野の知識習得だけでも大変で、他の分野にまたがる研究まではなかなか難しいだろうなと感じました。
音楽とは関係ないのですが、専門家というのは自分の分野については深い知識を持っているが、新しいものを発明することに関しては、専門家よりも、専門分野に縛られない素人の方が向いている、というような記事を読んだことがあります。
ここ数日、自分の興味のある分野は何かを考えてきましたが、素人なりに、分野に囚われずに自由に研究してみるのも面白いかもしれません。