音楽を聴かない「無関心層」が増え続ければ、実証研究がやりにくくなりそうです

音楽学の中で自分がどの分野に興味があるか考えた結果、素人なのをいいことに、マイ音楽民族心理学と名付けて、好き勝手に思いを巡らせてみようと思いました。

そもそもこの話題を書くきっかけになったのは、日本レコード協会の2015年度「音楽メディアユーザー実態調査」で、音楽を聴こうとしない「無関心層」の割合が最も多かったというニュースでした。

考えてみると、電車の中ではほとんどの人がスマホを見ていて、指を動かしていますので、SNSやゲームやWEBの閲覧などをやっているのかもしれません。

時間はみんなに平等なので、そのような時間が増えるということは、音楽を楽しむ時間は減るというのもうなずけます。

しかし蓄音機が発明されてから、これだけ短期間に巨大な音楽産業ができあがったということに、人間の音楽に対する根源的な欲求を感じます。

この点からいえば、これからも音楽を聴かない「無関心層」の割合が増え続ける、とはあまり思えません。

一方で、SNSやゲームのような業界が、よってたかって面白いコンテンツを配信して、さらに人々の時間を奪って行くならば、音楽の「無関心層」の増加に歯止めがかからないかもしれません。

音楽を聴かない層が4割、5割なんてことになってしまうと、音楽心理学のような実証研究が成り立たなくなりそうです。

「あなたの好きな曲は何ですか」という質問をしても、「音楽を聴かないので分かりません」ではデータが取れません。

自社ソフトで作りたいジャンルに、無条件で「音楽」を入れていたのですが、ちょっと考えを方を変えなければならないかもしれません。