私の知らない「楽器を持っていたい」理由がたくさんあるのだと思います

昔、私が会社で働いていたとき、同僚にES-335を持っているという人がいました。

その頃は、エレアコを持つ人はとんでもなく上手い人、と捉えられていたように思います。今はどうなんでしょう?

セミアコはラリー・カールトンが持っていたり、フルアコはスティーブ・ハウやパット・メセニーが持っていたりしたので、そう思われたんですかね。

会社には音楽が好きな人が多かったので、たまに誰かがエレキギターを持って来たりすると、少し弾ける人たちが「ちょっと貸して」と寄って行きます。

でも彼は寄って行かない。

彼が弾けたかどうかは、今となってはもう分かりません。

もう一つ思い出したのは、ずいぶん前ですが、会社の事務所にグランドピアノを置いていた社長さんがいました。

その方も、ピアノを弾いていたような気配は感じませんでした。

私が小学生の頃、1960年代後半から1970年代にかけて、ピアノを習っている子供たちはとても多かったです。

しかし私が知っている人で、大人になってからも続けていたのはいないはずです。

いつの頃からか、アップライトピアノの上は物置になるんですよね。

そういう人たちであれば、社会人になってよく会う間柄ならば、昔はピアノを習っていて・・・とか、子供の頃ロックミュージシャンに憧れて・・・とか、昔話が口をついて出るんじゃないかと思うのです。

それがES-335の彼も、グランドピアノの社長さんも、全く出ませんでした。

好きなミュージシャンの愛用品を持っていたいとか、好きな映画の象徴的なシーンを再現したいとか、私の知らない、楽器を持っていたい理由があるのだと思います。