マイ音楽マインドフルネス

ただ音が好きという理由で楽器を持っている人もいます

私はバイオリンを、5分や10分程度ですが毎日弾いています。

弾いているといっても、とても練習のレベルではなく、ただドレミを鳴らしているだけです。

そんなことを17年間続けています。

単にバイオリンの音色が好きで、それを聴きたくて弾いているような。

自分でも、こんな変なことをしている人はいないだろうな、と思っていました。

たまに人から「何か楽器をやっていますか?」と聞かれて、答えに窮してしまいます。

これは楽器をやっていることになるんだろうか・・・。

ところが先日、小泉文夫さんの本を読んでいて、自分と似ているんじゃないかと思う話を見つけました。

以前にも紹介した「音のなかの文化」(青土社)という本の、小室等さんとの対談でなんですが、小泉さんのご自宅の居間の壁に、珍しい民族楽器がいっぱい飾ってあるという記述があります。

小泉さんがお持ちなので、当然研究が目的なんでしょうが、その楽器の中で、ギリシャ起源で牧神が吹いていたといわれているパン・パイプの話題になります。

一本の管で一つの音しか出ない、非常に非経済的な楽器ゆえに、世界に今では大きくいって四ヶ所しか残っていない。

私の知らない「楽器を持っていたい」理由がたくさんあるのだと思います

昔、私が会社で働いていたとき、同僚にES-335を持っているという人がいました。

その頃は、エレアコを持つ人はとんでもなく上手い人、と捉えられていたように思います。今はどうなんでしょう?

セミアコはラリー・カールトンが持っていたり、フルアコはスティーブ・ハウやパット・メセニーが持っていたりしたので、そう思われたんですかね。

会社には音楽が好きな人が多かったので、たまに誰かがエレキギターを持って来たりすると、少し弾ける人たちが「ちょっと貸して」と寄って行きます。

でも彼は寄って行かない。

彼が弾けたかどうかは、今となってはもう分かりません。

もう一つ思い出したのは、ずいぶん前ですが、会社の事務所にグランドピアノを置いていた社長さんがいました。

その方も、ピアノを弾いていたような気配は感じませんでした。

私が小学生の頃、1960年代後半から1970年代にかけて、ピアノを習っている子供たちはとても多かったです。

しかし私が知っている人で、大人になってからも続けていたのはいないはずです。

いつの頃からか、アップライトピアノの上は物置になるんですよね。

「楽器を弾く」のにもいろいろなレベルがあります

楽器を買ったときは、ミュージシャンを夢見て必死に練習するのだけれど、自分の才能が分かってくると少しずつ熱も冷めてくる。

働き出すと、さらに楽器には疎遠になってしまうが、それでも何となく楽器は手放さずに持っている。

これは私の例ですが、みんながミュージシャンになれるわけではないので、同じような人は多いのではないでしょうか。

昔、ギタリストCharさんのドキュメンタリー番組(だったと思うのですが)を見た記憶があります。

元々とんでもなくギターが上手い人ですが、ギターをいつも手にしているというか、日常生活がギターと一体化しているんですよね。

こういう人がトップミュージシャンになるべくしてなるんだな、と妙に納得したことを覚えています。

以前、バンドのリハーサルスタジオで仕事をしていたことを書きましたが、そこには社会人の方もたくさん来ていました。

練習中にビールを飲んで楽しくやることがモットーのような人や、ファンがかなり付いていて真剣にプロを目指しているバンドなど、さまざまな演奏への向き合い方がありました。

休憩中もギターを抱えて、弾きながら休んでいんでいる人もいました。

基本的には、定期的にライブをするために練習に来ている方が多かったように思います。

楽器を持つ理由は人によってまちまちだと思います

先日、朝テレビを見ていたら、ロックバンドBOOWYの全国のファンが、群馬県渋川市の牧場に集合して、彼らのヒット曲を演奏するというイベントを伝えていました。

ボーカル500人、ギター200人、ベース200人、ドラムス100人という大規模なもの。

そのニュースでちょっと驚いたのは、参加者が自分の楽器を持ち込んで演奏したということ。

親子で演奏している映像もありました。こちらは家族で複数の楽器をお持ちなんですね。

一つのバンドのファンイベントだけでも、これだけ多くの人が楽器を持って来るのですから、全国には楽器を持っている人の数は、とんでもなく多いんだろうなと思ってしまいます。

一方で、私が昔から考えていたのは、楽器を持っている人は「なぜ持っているのだろう?」ということなんです。

日頃から演奏する人からすると、「演奏するために決まっているだろう」と思われるかもしれませんが、それだけではないように思います。

私は中学に入学してほどなくギターを買ってもらったのですが、当時はロックミュージシャンに憧れて毎日練習していました。

それはもうお決まりのフレーズ。天国への階段とかサンシャイン・オブ・ユア・ラヴとか・・・。

小泉文夫さんの本に出てくる鼻笛であれば一人マインドフルネスができるかもしれません

昨日は、好きな楽器を弾いているときは心が癒されるが、仕事場でそれをやれば音がうるさくて周りに迷惑をかけるというお話をしました。

理想をいえば、頭の中で好きな楽器を演奏できればいいんですよね。

少なくとも私には、頭の中でリアルな楽器音を響かせることはできません。

プロの演奏家の方はそのようなことができるのでしょうか。

頭の中でバイオリンの音を響かせて、その音色でウットリすることができれば理想的ですよね。

それならばということで、片手で持てるくらいの、小型で音の小さな楽器であればいいのかな、とたまに考えることがあります。

ハーモニカやオカリナなどはその候補に挙がると思います。

しかしどんなに意識して音を出しても、周りの人には聞こえてしまいますよね。

私は、YAMAHAのQY20というポータブルの電子楽器を持っていて、今でもたまにフレーズやコードの確認に使っています。

ヘッドホンなので音は周りに聞こえないのですが、電子音で抑揚も付けられないので、音色にウットリするということはありません。

昨日もご紹介した、小泉文夫さんの「音のなかの文化」(青土社)に、首狩り族の鼻笛というものが紹介されています。

自分の好きな音楽でマインドフルネスのようなことができないかと考えています

昨日、古代よりうつ病の治療に音楽が使われていたというお話から、音楽療法や音楽心理学のような分野の研究に期待していることを書きました。

私が好きな音楽は、その期待を反映しているのかもしれませんが、どちらかといえば穏やかなものが多いです。

楽器は弦楽器の響きが好きです。

小泉文夫さんの「音のなかの文化」(青土社)という本で、小室等さんと対談されているのですが、その中に管楽器は男性的で弦楽器は女性的という話題があります。

小室さんは管楽器が好きなのに対し、小泉さんは弦楽器が好きで、音楽もデリケートでやさしいものが好きだと仰っていたので、ああ、私は小泉さんと同じだとうれしく思いました。

私は毎晩、5分から10分程度、下手なりにバイオリンを弾いて「いい音だな」と悦に入っています。

もう15年くらい前ですが、ヤマハの「大人の音楽レッスン」のバイオリンコースに通っていたときからの習慣です。

当時は初心者向け教則本の中の曲でしたが、今はドレミを弾く程度です。

こんな単調なことを何年も続けてよく飽きないな、と自分でも不思議に思っているのですが、もしかすると、マインドフルネスに似た効果があるからやっているのかもしれません。