積読本になってしまうものはいろいろな理由があるのだと思います

先日、学生のときに買ったSF小説を、本棚から引っ張り出してきて読んでみたことを書きました。

私は積読はそれほどしない方だと思うのですが、それでも2、30冊くらいは積読本があります。

SF小説を引っ張り出したときから、それらの本のことが気になっていたので、改めてそのうちの三冊ほど手に取ってみました。

ジャンルは美術関連です。

SF小説のように、「幼年期の終わり」や「火星年代記」と同じ感動を味わいたくて、衝動的に買ってしまったというのではなく、もともと美術には興味があって、学生の頃から気が向いたら買っていたんですね。

SF小説の場合は、他に読みたいジャンルの本が増えてきて、そのままになってしまったのですが、これらの本はなぜ積読になってしまったのか、少し考えてみることにしました。

一冊目は亀山郁夫著「ロシア・アヴァンギャルド」(岩波新書)。20世紀初頭、ロシア十月革命以降に起こった芸術革命を概観する内容です。

二冊目は上尾信也著「音楽のヨーロッパ史」(講談社現代新書)。政治的、軍事的、宗教的目的のために音や音楽がどのように利用され、時代を動かしたのかを探る内容。

三冊目は佐藤晃子著「日本の絵画50」(KAWADE夢新書)。初心者向けに、誰もが一度は目にしたことのある有名な日本美術50点を、やさしく解説したもの。

「ロシア・アヴァンギャルド」は芸術の他に革命の思想も加わりますので、なかなかに難解ですし、「音楽のヨーロッパ史」は政治や宗教の影響に加え、音楽界の南方熊楠かと思えるほど詳細な楽器についての記述がありますので、なかなかに読み応えがあります。

それらに比べると、「日本の絵画50」はスイスイと楽しく読み進められます。

もちろん、前の二冊も買ったときは読みたいと思ったわけで、読み始めてみるとやっぱり面白いです。