今年の春頃になりますが、「中世&ルネサンス・レコーディングズ」という古楽の50枚組みCDボックスを買いました。
価格は1万円しませんでしたので、CD1枚が約200円のお買い得ボックスです。
デッカの古楽専門レーベル、オワゾリールというところから出ています。
15、16世紀くらいの音楽が中心のようです。
以前もお話しましたが、私は外出するときにポータブルCDプレーヤーで音楽を聴くのが好きで、一枚のCDをプレーヤーに入れたら、それを何度も繰り返し聴きます。
今、7枚目を聴いているのですが、世俗的な音楽も宗教曲も、どちらも素朴な音楽です。
バロックよりも前ですので、楽器も和声も発声法も、今の私たちが聴き慣れたものではありません。
本当にこの音楽が好きなのかと問われると、すべての曲に「はい」とはいえないくらいの素朴さです。
そんな音楽の中にも、ハッとするような美しい曲が紛れていたりします。
例えば、4枚目「Llibre Vermell de Montserrat」というCDの「Mariam Matrem Virginem」という曲。
女性の独唱とコーラスで聴き惚れてしまいます。
古楽のボックスは、このような素朴な音楽の中に、美しい曲を発見するのが好きで聴いているようなところもあります。
しかし、じゃあそのために古楽を聴いているのかというと、違うような気もしますので、ちょっと考えてみました。