この方たちは、価値観にしろ会話にしろ全然違うと感じることもありました。
そのような世界を目の当たりにすると、ああ、人というのは自分の資質を活かして仕事をしているな、というか、必然的に自分の資質に合う仕事にたどり着くんだな、という印象を持ちました。
私が以前勤めていた会社には、学生アルバイトからそのまま就職したのですが、自分が採用されたのは技術者としてなのでちょっと特殊です。他の社員は普通に面接を受けて入ってきていました。
ですので、新入社員が話しているのを聞いていると、本当はあの部署に配属されたかった、などといっていました。
つまり大きな会社は、最初は自分の希望や資質とはあまり関係なく、さまざまな部署に配属されて行くんですね。
補足しますが、いくら希望した部署ではないといっても、業種は家電やエンターテインメント系という大きなくくりがありますから、希望した業界の仕事ではあるわけです。
そういう光景を当たり前のように見ていたものですから、独立してからまったく違う世界の業者さんを見ていると、自分は世間を見る目が狭かったなとつくづく感じたものでした。
最初の「宝くじで1億円当たった人の末路」から話がだいぶズレてしまいましたが、いいたかったことは、ほとんどの人が自分の希望どうりではないにしろ、自分が対応できる範囲の、収まるべきところに収まって生活しているということなのです。
宝くじが当たって大金を手にしてしまったら、生活は激変すると思います。
つまり、自分の資質とはまったく違う世界に放り出されるわけですね。
自分が生きてきた中で身に付けた経験が活かせない世界では、生活を維持し続けることは、普通に考えて難しいのではないかと思います。