アスリートのように記録や勝負の世界で生きている人は、普通に考えると、サラリーマンのような一般的な職業と比べて現役の期間は短いと思います。
このような厳しい世界の第一線で活躍すればするほど、その競技一色の生活になるでしょうから、引退したあとに選べる職業の幅は、一般的な職業と比べて狭いと思います。
そんな方は十分な実績をお持ちでしょうから、解説者や指導者として活躍されるのだと思いますが、全く違うジャンルの仕事をしたいということであれば、それこそ一からの挑戦、つまり子供の頃からの人生を生きなおすようなことになるのでしょう。
若手のクラシック演奏家の方がテレビでおっしゃっていたことなのですが、子供の頃から練習ばかりで、アルバイトや恋愛など普通の若者がするようなことを経験したことがないというのが印象的でした。
しかし、クラシック音楽の演奏家は年をとっても活躍されている方が多い印象があります。
演奏する行為は、脳と指を連動させるので、とてもいい頭の体操になるという話を聞いたことがあります。
無理のない自然な姿勢で演奏できるピアノなどは、80代、90代のプロの演奏家がいらっしゃいます。
指揮者もそうですね。朝比奈隆さんも90代で指揮をされていました。
年をとっても活躍できるジャンルといえば、作家さんもそうではないでしょうか。
2013年の芥川賞は当時75歳の黒田夏子さんが受賞されました。
瀬戸内寂聴さんや佐藤愛子さんは90歳を超えた今でも活躍されています。
ご本人にとっては、決められた期日に絶えず高いレベルのものを求められるわけですから、プレッシャーは大変なものだと思いますが、一生を通じてできる仕事というのは憧れでもあります。