30代くらいまでは、自分も他人も同じ人間で、考えていることなんて大して変わらないと思っていました。
それ以前に、そのようなことをまじめに考えたことさえなかったように思います。
もちろん、人間の個性や能力は人によって全然違うことは分かっていました。
スポーツでも勉強でも自分より優れた同級生がたくさんいるなんて、小学生の頃から分かりますよね。
そのような能力のことではなく、喜怒哀楽の感情や性欲、食欲のような本能の方は、同じ人間なので大した違いはないだろう、と思い込んでいたわけです。
思い込んでいたので、あえて意識するようなこともなく生活していたという感じです。
しかし年を取ってくると、そのようなことも人によってずいぶん違っているんだな、と感じるようになったんですね。
昨日書いたように、人によって怒るポイントが全然違う、食に対するこだわりも全然違う。
たぶん、仕事やプライベートでとても大きな失敗や後悔をして、「思い返してみれば過去にも同じような失敗や後悔をしたな」と回想する経験が増えてくるからなんじゃないでしょうか。
それに自分も含めて、同級生や昔の同僚などの若かった頃の職種や嗜好のような生活のパターンと、今現在のそれらのパターンが、ある程度規則性を持っていることが分かってくる。
このようなことは、少なくとも30代の私には分かりませんでした。