今でも角打ちの雰囲気は好きですが、20代後半の方がよりうらぶれた飲み屋に行きたい気持ちがありました。
日常もオシャレとは程遠い環境で生活しているので、現実逃避というわけでもなさそうです。
当時の上司の人たちは、普通の居酒屋で飲んだあと、女性のいる飲み屋に行きたがる人が多かったように記憶しています。
音楽が好きな上司や同僚は、ブルースやロックが流れている居酒屋を好んでいました。
独立してから、そう年も離れていないクライアントの部長さんに、恐ろしくハイセンスなバーに連れて行かれて驚いたこともあります。
こういうところにも人の好みというのは現れるんですね。
今思いついたのですが、私は飲んでいるときは、いろいろなことについて語り合いたいのかもしれません。
子供の頃、父親や親戚の叔父さんたちが、飲みながら楽しそうにおしゃべりしているのを見て、いいなぁと思っていました。
私の勝手なイメージですが、三軒茶屋の安居酒屋で演劇論を戦わせる役者の卵・・・みたいなことに私自身憧れがあるようです。
ただダラダラと飲みながらおしゃべりするだけなら、ホッピーと中(焼酎)だけあれば小汚い居酒屋でもいいのです。
さすがに、そういうお店に一人で来て静かに飲むことはできません。かっこいいとは思いますが。
そういえば、以前日本酒がいろいろ置いてある角打ちで飲んでいたら、店の前にタクシーが停まって、身なりのちゃんとした高齢の紳士が入ってきました。
その方は日本酒を二杯ほど注文して、飲み終わると停めてあったタクシーで帰って行きました。
おお、かっこいいと感動したのですが、確かに憧れは感じませんでした。