何がよくて古楽を聴いているのかちょっと考えてみました

以前、「中世&ルネサンス・レコーディングズ」という古楽の50枚組みCDボックスのことを書きました。

この時代の音楽は、楽器も和声も発声法も今の私たちが聴き慣れたものではありません。

ほとんどの人が日ごろ耳にするのは、バッハやヴィヴァルディのようなバロック期くらいまでの音楽で、それより前の音楽はテレビやラジオでもあまり流れません。

一般的には中世、ルネサンス、バロック期の西洋音楽を古楽と呼んでいるようですが、私はこの時代の音楽をよく聴きます。

今も外出したときはこのCDボックスの一枚を聴いているのですが、中にはいい曲だなと思うものがあって、そういうときはこのブログに書きたくなります。

今回そう思ったのは、14枚目のCD「デュファイ:世俗音楽集」の4曲目「心に痛みを抱くこの私」と12曲目「コンスタンチノポリスの聖母教会の歎き」という曲なんですが、ここで紹介しても「ああ、あの曲ね」と同意する人も、「聴いてみよう」と思う人もいないと思います。

もし聴いたとしても「どこがいいの?」と感じると思いますし、私もそう思われて仕方がないと思います。

そもそもこの時代の世俗音楽ですから、当時の作者が「カッコイイと思わせよう」とか「感動させよう」と意識して作っていないと思いますし、意識していたとしても今の基準とは違うんじゃないでしょうか。

変に聞こえるかもしれませんが、私は心を動かされない音楽だから聴いているようなところがあります。

逆にいえば、先ほど紹介したような「いいな」と思える曲がほとんどないから、このCDボックスを聴いているようなところがあります。