私がゲーム会社でアルバイトしていた頃は、PC-8801内蔵のFM音源で効果音やBGMの音色を作っていました。
そのデータをゲームに組み込むために、CP/MというOSでコンパイルするのですが、その際に必要な、16進数やMOVなどのマシン語の一部を覚えさせられました。
当時は、端から入門書を買うという考えもなく(売っていたかどうかも分かりません)、社員の方が、ああしろこうしろ、というのをメモして行くだけでした。
それから数年後、父親がパソコンとはどういうものなのか、入門書を読んでみたいと言ったので、買いに行ったことがあります。
簡単そうな本を探してみたのですが、2進数や16進数の数え方とか、bitやbyteの単位のことなどが書いてある本ばかりでした。
そんなことを全くの初心者が見たら、拒否反応を起こすだけですよね。
初心者のことを考えていない、というよりも、考える必要もないくらい需要がなかったのだと思います。
つまり、ITの進歩について行かなくては、と本気で焦っている人はほとんどいなかったということですよね。
どちらかといえば、高いお金を出してパソコンを買うなんて、よほどの物好きかオタクだと思われていたんじゃないでしょうか。
実際、同級生と飲んでいたとき、当時パソコンを持っていたのは、彼の友人の中では私だけしかいなかったそうです。
前回書いた人たちも、同じような状況だったのかもしれません。
私の周りにはパソコンがあったので、ITの進歩について、私の同世代と少し感覚が違うのだと思います。