時代の変化

音楽家や作家などジャンルによっては一生を通して活躍される方もいます

アスリートのように記録や勝負の世界で生きている人は、普通に考えると、サラリーマンのような一般的な職業と比べて現役の期間は短いと思います。

このような厳しい世界の第一線で活躍すればするほど、その競技一色の生活になるでしょうから、引退したあとに選べる職業の幅は、一般的な職業と比べて狭いと思います。

そんな方は十分な実績をお持ちでしょうから、解説者や指導者として活躍されるのだと思いますが、全く違うジャンルの仕事をしたいということであれば、それこそ一からの挑戦、つまり子供の頃からの人生を生きなおすようなことになるのでしょう。

若手のクラシック演奏家の方がテレビでおっしゃっていたことなのですが、子供の頃から練習ばかりで、アルバイトや恋愛など普通の若者がするようなことを経験したことがないというのが印象的でした。

しかし、クラシック音楽の演奏家は年をとっても活躍されている方が多い印象があります。

演奏する行為は、脳と指を連動させるので、とてもいい頭の体操になるという話を聞いたことがあります。

無理のない自然な姿勢で演奏できるピアノなどは、80代、90代のプロの演奏家がいらっしゃいます。

指揮者もそうですね。朝比奈隆さんも90代で指揮をされていました。

人生100年の時代に何種類かの人生を歩まれる方も増えそうです

ASK アクティブシニア交流会さんの今月の交流会のテーマは、「人生90年時代へ 時代に合った社会の仕組みに変える」だそうです。

「福岡市における高齢者の現状と市の対応政策」について、福岡市保健福祉局の方が講演をされるようです。

以前も書きましたが、「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」という本が話題になっているように、このようなテーマの記事や講演が増えていると感じます。

つい数年前までは、60歳の定年を迎えたら老後というイメージがあったのですが、人生100年ということになれば、定年を機に新しい人生を始められる方も多そうです。

お金や健康に余裕があって、やりたいことがある人にとっては、楽しみなことなのかもしれません。

しかしこれはサラリーマンの話であって、アスリートの方は競技によっては20代で引退される方もいらっしゃいます。

そのような方はさらに多くの人生、三種類以上のまったく違った人生を歩まれる方も、出てくるかもしれません。

今年の5月に宮里藍さんが31歳で引退を発表されました。

アスリートといっても、ゴルフの場合はシニアツアーもあるくらいですから、私はてっきり年を取っても無理をしなければできるスポーツだと思っていました。

自分の得意なことと同時に価値観についても考えたいと思います

昨日の価値観の話は結構重要だと思っていて、例えばサッカーの日本代表に、実力も一流で日頃から活躍しているのに、監督の戦術に合わないということで選ばれない選手がいるようですね。私はサッカーには詳しくありませんが、スポーツ解説でたまに見ます。

これなんて、誰もが認めるストロングポイントを持っていても、受け入れる側がそれを必要としていなかったということですよね。

でもそんなことは予測できないこともあります。今の監督が急に解任されて、後任の監督は自分と価値観が違っていた、みたいなことです。

このようなことを考えてみると、最初に挙げた本の「社長は会社を大きくするな!」に戻るんですが、自分の強みを見つけてそれを伸ばす努力は必要ですが、それを発揮する場所も同時によく考えておく。考えたとしてもそれが受け入れられなかったときは、一人でも活動できる方法も考えておく、という流れは大事かなと思います。

これは最近かなり意識していることで、そのためには好きなことや得意なことだけではなくて、自分の価値観も把握しておいた方がいいと感じています。

人と一緒にやって行くためにはその人の価値観を理解する必要があるようです

国もメンタルヘルスケアに力を入れていますし、若い人からも、人間関係が苦しければそこを飛び出して生きて行くための提案が盛んになっていると思います。

自分でできることを見つけてそれを活かそう、という話になると思いますが、人と一緒に何かをやるときは、相手の価値観を知っていないとうまく行かないことがあるのではないでしょうか。

以前、「達成する力」という本のことを書きましたが、そこには人が持っている価値観は38種類あり、それぞれに違うということが書かれていました。

例として、筆者やその知人の方がどれを持っているかが挙げられていたのですが、確かに自分とはまったく違いました。

私が会社員だったときは、社内の人それぞれの価値感は違っていたとは思いますが、会社の売り上げ目標を達成するという点は一致していましたので、それを基準に判断すれば、あまり問題は起きなかったように思います。

同僚と意見が違うときも、売り上げ目標という基準を元に、上司が調整してくれました。

しかし独立してから感じたのは、どうもそのような分かりやすい目的だけで人は動いていなさそうだということでした。

売り上げ目標を重視するのは、ある程度大きな会社ですから。

苦しい人間関係から脱出して新たな生き方をしようという提案が増えているようです

株式会社cocotamaさんとメンタルヘルスケアのアプリを作り始めて、厚生労働省のWEBサイトなどを見るようになりました。

今は人間関係を始めとする、ストレスの問題を抱えている職場が多いようですね。

会社がうまく行っていないときの人間関係の悪化は、昨日お話した相殺できるような楽しみも少ない分、自然に解消するのはなかなか難しいだろうと思います。

じゃあどうすればいいんだということになると、私はそれに応えるだけの知識は持ち合わせていないのですが、昨日あげた「社長は会社を大きくするな!」という本のタイトルにとても希望を感じたんですね。

著者は税理士の方のようですが、専門家が組織についてこのように大胆な提案をされていたのが新鮮でした。

東北の震災以降のような気がするんですが、戦後に敷かれた人生のレールのようなものに対して、そんなものはないんだよというような主張が増えたように思います。

堀江貴文さんのような方が自由な生き方を提唱されていますが、そのような本が目立ってきたのも、この頃あたりではないでしょうか。

インターネットでもそのような生き方、例えばブログで収益を上げて生活しよう、というようなことも盛んにいわれるようになりました。

自分で決められる状態にいることがストレスを溜めないために必要だと思います

何年か前、山本憲明著「社長は会社を大きくするな!」(ダイヤモンド社)という本を読みました。

この本が出版された2012年当時も、かつて日本経済を引っ張ってきた巨大企業が赤字に苦しみ、人員削減を強化していた頃です。

私も当時は、自分の性格や人間関係や今後やって行きたい仕事のことなどで、いろいろと悩んでいる時期でした。

社員が一人であれば、人間関係はその人との関係だけでいいが、社員が二人になると、社長と社員以外に社員どうしの関係が発生する。

そうやって、一人増えるごとに関係が複雑化して行くという解説に、確かにそうだなと納得した記憶があります。

本の最後には、「自分の人生に常に主導権を持つ立場」を確保することで楽しく生きよう、と主張されいる部分にとても共感しました。

そういう意味で、人間関係に悩みたくなければ社長一人の会社とか、社員一人の会社が一番いいということになります。

とはいうものの、職種によってそれができる会社もあるでしょうが、ほとんどの会社にとってはなかなか難しいと思います。

私が会社員だったときも、当たり前のことですが、人間関係で困ったこともありました。

いろいろなことにお手本のなくなった今の時代に学生生活を送りたかった気もします

不況になってから生まれた人は、バブルが崩壊するまでの右肩上がりの経済成長を知らないんですね。

私の世代は、今後そのような経済成長はもうないと頭で理解していても、行動が伴わない感覚の人はけっこういると思います。

子供の頃に、経済成長の世の中が世界のすべてだったのですから、そうじゃない世の中を体験として知りません。

何をするにしても右肩上がりの経済成長の影響が反映されていたはずです。

住まいも、食事も、学校生活も、娯楽も・・・。

昨日、根性で何とかなるのはゴールが分かっているからと書きましたが、今あげた例にもレールのようなものが敷かれていたと思います。

今の若い人はクルマを買わないといわれていますが、お金がないときはお金を使わないのが当たり前で、健全なことだと思います。

私が大学生のとき夏休みなどで帰省すると、地元の同級生はクルマを持っていました。

お金がない学生もローンで買っていたんだと思います。

私も楽器やパソコンをローンで買っていたので分かるのですが、仕事はいくらでもあるので、借金が返せないなんて考えもしませんでした。

時代が変化したことに対応したつもりでも潜在意識までは対応できないと思います

東芝の半導体事業の売却先が決まったようですね。

数年前までは、このような大企業の経営が苦しくなるなんて考えられませんでした。

小さな会社をやっていると、大きな会社の社員の方々の優秀さは本当に理解しているつもりですが、それでも今の経済状態や不運が重なると、このような結果になってしまう時代なんですね。

私には、大きな会社の経営の大変さは想像すらできないのですが、年齢だけは役員の方々とあまり変わらないように思いますので、育ってきた時代の感覚だけは共有できると思います。

私が生まれたときは高度経済成長時代でしたし、就職したときもバブルははじけていませんでした。

企業はものを作れば売れていました。

私が子供の頃は、テレビの青春ドラマやアニメはスポーツものが多かったです。

どんなに劣勢で苦しくても根性で頑張れば何とかなる。

根性で何とかなるのはゴールが分かっているからです。今のように、正解は自分で見つけなければならない時代ではありません。

生活の基盤である経済は右肩上がりの成長を続けている。

オイルショックなどで経済が一時的に停滞しても、長い目で見れば右肩上がりという事実は揺るがない・・・。

世界規模の大きな変化なので悲観も楽観もしていません

昨日は高齢化社会やAIの進化などで、人類が予測できない世界になりつつあるというお話で終わっていました。

しかし私はそのことに悲観も楽観もしていません。

人類全体に起こる変化ですから、多くの人がとりあえず納得する結果に終わるだろうと思います。

一番つらいのは、自分だけが何か酷い目にあって、周りはそれに気づかないということではないでしょうか。

今と違って、ウツのような心の病に病名がなかった時代は、怠け者とか変わり者とかのレッテルを貼られていたようです。

現在でも、あまり知られていない病気や怪我などによる後遺症は、本人は苦しいのですが、それをどのように説明しても、本人以外の人にとっては実感しづらいと思います。

そう考えると、自分の家族だけとか、自分の住んでいる地域だけというように、起こっている範囲が狭ければ狭いほど共感者の数も少ないわけで、そのような環境の中で生きて行くのはつらいと思います。

大きな範囲で災害が起きたときは、その近隣の地域を含む人々が、郷土という名の下に助け合うと思いますし、国どうしの紛争であれば、同じ国民の同族意識で助け合おうという機運が高まると思います。

年金制度の変化で定年の考え方が変わりました

私の親が退職した頃は、定年のあとも働き続けるという人は、あまりいなかったような印象があります。

あれから20年以上経って、人々の意識も変わったということなのでしょう。

終身雇用、年功序列に関しては、崩壊したといわれ続けても、当事者の意識はなかなか変わらなかったんじゃないでしょうか。

一方で、定年後に仕事を続けることに関しては、年金支給が65歳からというように制度そのものが変わるわけですから、それまで仕事をしなければならないという現実的な問題があります。

それほど制度の変化というのは現実を変えますから、年金支給が70歳に引き上げられたりするような変化があるたびに、人々の意識は確実に変わって行くのでしょう。

こちらも読んでいませんが、河合雅司著「未来の年表」(講談社現代新書)という本には、人口が減少する世界でどのようなことが起きるのかを予測しているようです。

本の各章のタイトルだけを眺めていても、あまり気分のいい変化ではないようですね。

以前からいわれていますが、シンギュラーポイントが来てAIが人間の能力を超えたら、どのようなことになるか人間では予測できないというのがあります。